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08/16 10:35 軍事ドクトリンを総集 対テロで先制攻撃鮮明化 外信40
【ワシントン15日共同=上田泉貴】米国防総省が十五日、議会
に提出した2002年国防報告は、米中枢同時テロ以来のブッシュ
政権が表明してきた米安全保障に関する基本姿勢を網羅して明文化
、いわばブッシュ軍事ドクトリンの総集編と呼べる内容だ。
報告書はテロなど新たな形の脅威に対しては冷戦時代の敵対国に
対する「封じ込め」や「抑止」の政策では不適切と強調、「適切な
攻撃が最良の防衛」と先制攻撃を辞さない方針を明示した。
またその手段には「持てるすべての能力、手段を動員。何をも排
除しない」として、直接の言及こそないものの核兵器の使用も強く
示唆し、なりふり構わぬ軍事行動を取る可能性をにじませている。
また、イラク、イラン、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のい
わゆる「悪の枢軸」三国を名指しして非難するとともに、中東から
極東までを最重要な「危険地域」と断定。中国についても「競争者
の出現」としてその「脅威」を強く示唆した。
これらのアジア地域への見方と、同時に報告書が強く指摘してい
る「同盟国との協力が重要」との要素を併せて読めば、日本が置か
れている極めて難しい立場も浮かび上がる。
こうした米安保政策と中国、北朝鮮ならびにエネルギーを頼る中
東各国とどうかかわるのか―。中、長期的な視野に立った判断を迫
られよう。
(了) 020816 1034
[2002-08-16-10:35]
08/16 10:21 米国防報告の要旨 外信23
【ワシントン15日共同】米国防総省が十五日発表した二○○二
年国防報告の主な内容は次の通り。
一、米国は新たな脆弱(ぜいじゃく)さの時代に入った。適切な
攻撃は最良の防衛だ。
一、米国を防衛するためには、時には先制攻撃の実施が必要とな
る。
一、米国は、いかなる手段をも事前に排除するべきではない。米
国は勝利を得るためにはいかなる方法も用いる。
一、アジアでは大規模な軍拡競争が顕在化。中東から北東アジア
は不安定な弧を形成している。
一、イラク、イラン、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は長距
離ミサイルを保有、核・生物・化学兵器の入手を狙っている。
一、アジアの軍事バランスを維持することは、米国にとっての極
めて重要な責務だ。
一、アジア地域には、今後(米国に)対抗可能な軍事的競争相手
が出現する可能性がある。
一、米国が、予期しない方法で攻撃する新たな敵によって再び驚
かされることは不可避。米国は今変わらなければならない。
一、現在のテロとの戦いに勝利することと、将来の戦争に備える
という二つの課題に直面している。
一、米本土を守り、大量破壊兵器とその運搬手段を打ち負かすこ
とが重要。
一、(米本土から)遠く、アクセス困難な地域での軍事力維持が
必要。
一、持続的な偵察能力の向上で早期介入を可能とし、敵に聖域保
持を許さない。
一、情報システムを敵の攻撃から防衛することが重要。
一、宇宙空間への自由なアクセスを維持し、米国の宇宙施設を敵
の攻撃から守る必要がある。
(了) 020816 1020
[2002-08-16-10:21]
08/16 11:33 対テロ先制攻撃を排除せず 核兵器含めあらゆる手段 外信44
【ワシントン15日共同=渡辺陽介】米国のラムズフェルド国防
長官は十五日、二○○二年国防報告をブッシュ大統領と議会に提出
した。
報告は、昨年九月の米中枢同時テロ発生を受け「米国は新たな脆
弱(ぜいじゃく)さの時代に入った」と指摘。同時テロの教訓とし
て「攻撃は最良の防御」とし、先制攻撃を排除しない考えを打ち出
すとともに、核兵器使用も含めたあらゆる攻撃手段を辞さない姿勢
を鮮明にした。
また、イラク、イラン、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の三
カ国による大量破壊兵器開発を名指しで非難。「中東から北東アジ
アは不安定な弧を形成している」とし、軍拡競争が進むアジアの安
全保障面での危険性を指摘した。
報告はテロとの戦いでの同盟国の重要性を強調。アジアでは相当
な軍事力を有する「競争相手」が浮上する可能性を指摘し、中国へ
の警戒感をにじませた。
今後十年の軍の改革で、陸軍は軽量かつ機動的となり、精密誘導
攻撃システムと統一的に動くようになると指摘。海軍は敵地の沿岸
部から内陸深くまで展開し、空軍は広大な地域で標的をとらえ、遠
くから素早く攻撃することが可能になると予測した。
報告は「米国が予期しない方法で攻撃する新たな敵によって再び
驚かされることは不可避。米国は今変わらなければならない」と強
調、米本土防衛を最重要課題として取り組む必要性を明確にし、軍
の早急な体制改革を促した。
また、米軍は「現在のテロとの戦いに勝利することと、将来の(
新たな)戦争に備えるという二つの課題に直面している」と指摘。
具体的な課題として(1)米本土防衛と大量破壊兵器への対応(2
)情報システムの防護(3)偵察能力の向上で敵に聖域保持を許さ
ない(4)(米本土から)遠くアクセス困難な地域での軍事力維持
―など六つを提示した。
(了) 020816 1132
[2002-08-16-11:33]
08/16 15:06 高まる在日基地の戦略価値 米のアジア重視明確に 外信54
【ワシントン16日共同】米国防総省が十五日発表した二○○二
年国防報告は、昨年九月十一日に未曽有の中枢同時テロ攻撃を受け
た米国が、対テロ作戦を含む世界戦略の中で、在日米軍基地など極
東の米軍基地を以前にも増して重視していることを浮き彫りにした
。
沖縄など米軍基地返還を求める日本各地の市民の声は、今後ます
ます日米両政府に届きにくい状況となりそうだ。
中国の軍事力強化に伴う台湾海峡の緊張や、朝鮮民主主義人民共
和国(北朝鮮)の核・ミサイルの脅威、インド・パキスタンの核戦
争の脅威、イラン、イラクの大量破壊兵器開発問題など、国防報告
が「不安定な弧」と名付けたアジア地域には、米国が関与せざるを
得ない安全保障上の問題が山積している。
ラムズフェルド国防長官は、米本土から遠い地域での作戦行動能
力の維持を柱の一つに位置付けている。さらに国防報告は、中東か
ら極東に至るアジア地域の海岸線について「長大な距離だが、米軍
の基地や補給施設は世界の他地域よりも貧弱」と指摘する。
これは裏返せば、横須賀や沖縄など、米軍にとって既存の足場で
ある在日米軍基地の軍事的価値が、テロ組織など見えない敵と戦う
時代に入った二十一世紀になって高まったことを意味している。
あるホワイトハウス当局者は、中国や北朝鮮の軍事的脅威に触れ
ながら「朝鮮半島や台湾海峡、南沙諸島など、極東地域の潜在的な
紛争地を考えた場合、米軍が日本、特に沖縄に部隊を配置すること
によって受ける恩恵は、今後ますます大きくなるばかりだ」と述べ
、在日米軍基地の戦略的価値は、ブッシュ政権時代になって飛躍的
に高まっていると強調した。
(了) 020816 1505
[2002-08-16-15:06]