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【北京１５日＝杉山祐之】
中国共産党機関紙「人民日報」が発行する国際問題専門紙「環球時報」は１５日、北朝鮮が７月１日から着手した経済改革について、同国の国家計画委員会国民経済総合計画局の崔強・副局長のインタビューを掲載するとともに、配給制が食物を除いて廃止され、１ドルを１５０ウォンとする新為替レートの設定で、外貨との直接交換が始まったことなど改革の具体的状況について伝えた。北朝鮮当局者が外国人に対し、経済改革実施とその内容を確認したのは初めてという。
崔副局長は、経済改革の意図について、「生産面での労働者の積極性を最大限に高め、多く働いた者が多くを得るという、真に労働に応じた分配を堅持するため」と述べ、労働意欲を刺激することで、計画経済の行き詰まりを打破する狙いがあることを明白にした。崔副局長は、「朝鮮式の現代化経済発展の道」とも述べているが、基本的には、中国など社会主義国がかつて導入した改革と同じ路線と言える。
具体的な改革では、７月１日に設定された新米価を基礎に、労働者の給与水準、日用品価格などを大幅に引き上げ、給与・物価体系を根本的に調整。一般労働者の平均給与が１５―２０倍に増えて２０００―２５００ウォンになる一方、冷めん価格が２０―３０倍、公共交通機関運賃は２０倍に上昇している。
食糧を除くすべての日用品の配給キップを撤廃。計画経済下、市民は、各人に配分されるキップがなければ物を買えなかった。また、８月１日にはこれまで１ドル＝２・１５ウォン前後のレートで発行されていた外貨兌換券を廃止し、１ドル＝１５０ウォンの新レートを定めた。
同紙はまた、金正日総書記の「実利」追求路線を紹介しながら、「消息筋」の話として、一部の企業、特に対外貿易関係企業は、すでに事実上の自主経営を行っているとの情報があるとした。
一連の経済改革措置で最も懸念されているのが、インフレだが、同紙は、現時点での平壌市内の食品市場の価格動向について、「給料の伸びに比べれば、大きく変化したとは言えない」としている。
(8月15日20:59)

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