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08/09 15:43 日本に裏切られた 領事との面会要請を無視 脱出夫 外信48
【麗水（韓国・全羅南道）９日共同＝平井久志】中国・瀋陽の亡
命者連行事件で、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）を脱出し、韓
国に亡命したキム・グァンチョル氏（２８）、リ・ソンヒさん（２
６）夫婦は九日までに、娘のハンミちゃん（２つ）とともに、韓国
・全羅南道の地方都市で共同通信のインタビューに応じ「日本に完
全に失望した。裏切られたと感じた」と語り、日本側の対応を厳し
く批判した。
キム氏は日本総領事館の敷地内で領事と面会を求めたが無視され
、敷地外の中国警察の詰め所に連行された後に領事が現れたが、対
応は極めて冷淡だったと証言した。
当事者が詳細な証言に基づいて批判したことで、今回の事件で人
権への配慮を欠いた日本側の対応があらためて問われることになり
そうだ。
同氏は弟のキム・ソングク氏とともに総領事館の建物内に入るこ
とに成功し、中国人職員に中国語で「北朝鮮から来た。日本人領事
に会いたい。通訳を連れてきてほしい。助けてほしい」と訴えた。
建物内には約十五分間いたが、総領事館側は警備員が「座れ」と命
じた以外は何の対応もなかった。
二人は中国の公安当局者七人ほどに建物内で拘束され、後ろに回
された手と首をロープで縛られて総領事館正門横の詰め所に連行さ
れた。
キム氏は「総領事館内で日本人領事の顔すら見ることができず腹
が立った」と述べ、詰め所に連行された後になって領事が姿を見せ
たが「ひどく面倒くさそうな表情といい、行動といい、よい印象を
受けなかった」と語った。
また、米国亡命を求める英文の文書を渡したが、領事は十分に見
ることなく公安当局に渡したと証言、本人に返したとしている日本
政府の調査を否定した。文書はキム氏のほか妻のリさん、弟のソン
グク氏も渡したが同様に無視された。
キム氏ら三人はこのほど、北朝鮮脱出住民向けの適応訓練を終え
て、全羅南道の地方都市で新生活を開始。ハンミちゃんも元気なよ
うすで母親に甘えたりしていた。
（了） ０２０８０９ １５４２
[2002-08-09-15:43]
08/09 16:04 母親「妊娠中」は偽装 連行後、五日間ハンスト 外信46
【麗水（韓国・全羅南道）９日共同】瀋陽の亡命者連行事件で朝
鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）を脱出し韓国に亡命したリ・ソン
ヒさん（２６）は九日までに共同通信とのインタビューに答え、当
初二番目の子どもを妊娠中と言っていたのは、刑務所入りを避ける
ための偽装だったことを明らかにした。
リさんは二歳のハンミちゃんを抱えていることもあり「妊娠中だ
と中国で捕まっても刑務所に送られないと聞きうそをついた」と述
べた。
リさんは、中国当局に拘束された後、最初の五日間は抗議のため
食事を取らなかったため、体重が急激に落ちた。
中国側は妊娠中と信じてリさんに食事を取るように勧めるなど気
を使っていたが、その後、病院で検査を受けて偽装が発覚したとい
う。
（了） ０２０８０９ １６０３
[2002-08-09-16:04]
08/09 15:53 母に甘え遊ぶハンミちゃん １ＤＫで亡命親子の新生 外信50 #01
【麗水（韓国・全羅南道）９日共同＝平井久志】母親に甘え、遊
ぶハンミちゃん（２つ）―。亡命者連行事件から約三カ月、朝鮮民
主主義人民共和国（北朝鮮）を脱出したキム・グァンチョル氏（２
８）親子三人は韓国・全羅南道の地方都市で新たな人生をスタート
させた。
市内の１ＤＫのアパートには、薄い布団と近所の住民が提供した
テレビがあるぐらいで家財道具はほとんどない。おもちゃもないが
、ハンミちゃんは訪問者の携帯電話で遊んだり母親のリ・ソンヒさ
ん（２６）に甘えて元気な様子。事件当時の緊張した表情が消え、
子供らしさを取り戻していた。
一家はソウル近郊の北朝鮮脱出住民の定着支援施設「ハナ院」で
の適応訓練を六日に終えたばかり。
地元警察の保護を受けながらの生活だが、妻のリ・ソンヒさんは
「ハナ院から大都市のソウルや仁川へ行った人もいるが、ここの人
たちは人が良さそうなので（大都市に行かないで）良かったと思っ
ている」と笑顔をみせた。
「韓国のテレビはどれを見ても面白い」と話すなど、少しずつ韓
国生活を楽しむ余裕も出てきた。一緒に亡命したキムさんの母親（
５３）と弟（２６）はソウルで生活することになった。
（了） ０２０８０９ １５５３
[2002-08-09-15:53]
08/09 16:04 瀋陽の亡命者連行事件とは 外信52
瀋陽の亡命者連行事件 ５月８日、朝鮮民主主義人民共和国（北
朝鮮）の住民５人が米国への亡命を求めて中国瀋陽市内の日本総領
事館に駆け込んだが、中国の武装警官が母娘ら３人を敷地内から引
きずり出し、男性２人も連行した。「連行には同意していない」と
する日本側に対し、中国側は「同意は得ていた」と反論し、両国の
主張は真っ向から対立。中国は人道問題を優先する形で出国させ、
５人は同月２３日に韓国入り、ソウル近郊の定着支援施設で韓国社
会への適応訓練を受けた。日本外務省は７月、瀋陽総領事ら２人を
更迭、阿南惟茂駐中国大使を厳重訓戒とするなど、関係者１３人を
処分した。（共同）
（了） ０２０８０９ １６０４
[2002-08-09-16:04]
08/09 16:06 キム氏との一問一答 外信51
亡命者連行事件で韓国に亡命したキム・グァンチョル氏との一問
一答は次の通り。（麗水、共同＝平井久志）
―中国の公安当局に連行された時の心境は。
「失敗したなあと思った。死ぬような目に何度か遭ってきたので
、最後のチャンスと考えていた。日本総領事館を選択した自分がば
かだったと自責の念に駆られた」
―日本政府に対しては。
「今後脱北者が日本大使館などに入ってきたら、なぜ来たのかな
ど少しは話を聞く姿勢を持ってほしい」
―連行される時に抵抗しなかった理由は。
「われわれにどんな力があるというのか。日本も中国も道徳性を
失った国。総領事館の人たちはその国の代表だが、顔も見せないで
無慈悲に対応することができるのかと思った。対話が成立する相手
でなかった」
―日本人領事に対して
「日本人領事さえ出てくれば解決すると思っていた。しかし、総
領事館外に連行されてから現れた領事の態度はわれわれに関心も示
さず、中国の公安と仲良くすることだった。一言の励ましの言葉も
なかった」
―ソウル到着時に駐韓国日本大使が面会に来たが。
「（大使から）中国と韓国の関係が悪くなるから悔しいことがあ
っても自制してくれと言われ『分かった』と答えた。大使から謝罪
の言葉はなく『われわれもたくさん努力した』と言った。うわべと
中身が違う人だと感じた。世界中のマスコミが騒いだおかげで助か
ったが、日本政府や大使は何をしてくれたのか。チョコレートパイ
を持ってきたが、腹が立ってあいさつもしなかった」
―総領事館の不可侵権について。
「国際法で総領事館内に中国の公安が入れないことは知っていた
。私のやったことは『腹が減った人間が他人の家に飯をもらいに行
く』ようなこと。しかし、入ったら家の主人（日本人領事）は出て
こないで、中国の公安が出てきた」
（了） ０２０８０９ １６０５
[2002-08-09-16:06]
08/09 16:07 求められる事実究明 人権配慮の欠如浮き彫り 外信49
【麗水（韓国・全羅南道）９日共同＝平井久志】瀋陽の亡命者連
行事件で朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）を脱出し、韓国に亡命
したキム・グァンチョル夫妻の証言は、人権への配慮を欠いた日本
政府への批判であると同時に、事件に関する日本側調査のずさんさ
をあらためて浮き彫りにした。
日本政府は瀋陽総領事の更迭などの処分を行い、事件の幕引きを
図ったが、今後同様の事件が発生した際の対応や人権への姿勢を明
確にするためにも事実関係をさらに究明することが求められる。
キム夫妻は（１）総領事館内で日本人領事との面会を要請（２）
英文の亡命要請文書を三人が手渡した（３）日本人領事は文書をき
ちんと読まないまま、中国公安当局者に渡した（４）連行される際
に車の進行を止めようとする日本人領事の明確な行動はなかった―
などと証言した。
いずれも日本側の調査報告に含まれていないか、食い違う内容だ
。
北朝鮮で「日本人はみな悪い」との教育を受けたというキム氏は
「中国で生活するうちに日本は人権が保障されている国だと考える
ようになった」。
それだけに「日本総領事館を選択したことで自責の念に駆られた
」と失望感を表明している。
（了） ０２０８０９ １６０６
[2002-08-09-16:07]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。