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AUGUST 01, 2002 22:48
by 洪銀澤
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=060000&biid=2002080276818
米国がイラクを侵攻するかもしれないという噂だけで、国際石油価格が上昇している。イラク侵攻と石油価格、そして国際的影響がどう連動しているのか。
ニューヨークタイムズの中東問題専門コラムニストであるトーマス・フリードマン氏と米外交協会(CFR)の石油専門家フィリップ・ボレガー氏は、この連動関係の分析を提示した。
先月31日、9月渡しの北海産ブレントは、1バレル当たり15セント上昇の25.83ドル、9月渡しのテキサス産重質油は、ニューヨークで、81セント上昇して27.36ドルで取り引きされた。米石油研究所(APA)が同日、週間(7月19〜26日)原油在庫量が87万3000バレル増加し、308万2000バレルに達したと発表したものの、上昇にブレーキをかけることはできなかった。
AFP通信は、石油ブローカーのトーニー・マッカーセックの言葉を引用して「需要供給の論理では説明できない驚くべき高騰」と報じた。
フリードマン氏は、このような状況を「世界最大のガソリンスタンドでの戦争が持ち上がっているため」と分析した。アフガニスタンのトラボラ洞くつでの戦争とは比較にならないばく大な影響が予想されるということだ。ボレガー氏は、イラク侵攻を「リスクが極めて大きい経済的冒険」とした。彼は「戦争が誤って展開された場合、世界の石油供給網が破壊する恐れがある」と見通した。
フリードマン氏は、先月31日付のコラムで、このような見解が発展して石油価格が1バレル当り60ドルにまで跳ね上がる可能性もあると指摘した。彼は「これまで米国の戦争計画だけを語り、イラクのフセイン政権の対応については誰も考えなかった。フセイン大統領は、サウジアラビアやクウェートの油井を生物・化学弾頭を搭載したスカッドミサイルで攻撃する可能性がある」と語った。クウェートの人口密集地域とイラク南部の都市バスラは、わずか120kmしか離れていない。
ベネズエラ、イラン、ナイジェリアのような産油国が、石油価格の上昇を煽るために原油供給を減らす場合、石油価格が1バレル当り60ドルにまで上昇、世界経済がばく大な打撃を被るという。
一方、イラク侵攻が成功を収め、イラクに穏健民主政権が発足すれば、一日200万バレルに制限していた国連の制裁措置が解け、イラクは経済再建に向けて一日500万バレルまで産油量を増やし、供給過剰になる恐れがあると、フリードマン氏は見通した。他の産油国は、石油価格の下落で減少した輸入を補てんするために、先を争って産油量を増やすことで、石油価格が1バレル当り6ドルまで下がる可能性があるという。
彼は、この場合、これまでのばく大な石油輸入で非民主的政権を運営してきたサウジアラビア、ベネズエラ、ナイジェリアのような国家の政権が没落し、石油輸出国機構(OPEC)のカルテルも崩壊するなど、イラク侵攻が一石二鳥をもたらし得ると展望した。
しかし、実際にいかなるシナリオが展開するかは、誰にもわからないこと。彼は「いずれの場合にも備えなければならない」と語った。