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不審船というお芝居
不審船騒動は、目潰しをかわした素朴な目で見ると、このドラマに、多
くのミスが見えてくる。
恐らくは日本の法に通じない作者が、発端導入で、法の番人にウソを吐
かすのである。
佐渡沖の時、川崎運輸相は、不審だという理由を、国旗が揚がっていな
い、漁船型なのに漁具がない、からとした。
国旗は、船舶法施行規則第四十三条によって、通常揚げる必要なく、官
庁船を除いた何万という日本小型船は、揚げていないのである。
川崎運輸相が示した写真の船は、漁船に義務づけられている登録番号の
表示がないから、冷凍船か運搬船かも知れない。
漁船でない船に漁具のないのは、当たり前だ。
根拠のない不審というレッテルを貼って、艦船18航空機12を動員、
垂涎の射撃をしたあと、レーダーの目が見えなくなった、ガス欠になった
と、21:20、15隻すべての巡視船艇が脱落、踵を返した。
23:00すぎ、伊藤安保局長は記者会見で、『(海保船は)なかなか
追いつけず、引き離されている状況だ………法律上停船させ、立ち入り検
査したい。仮に拒否された場合には、逮捕、だ捕したい。現状は海上保安
庁の船が引き離されているので、引き続き追跡に努力したい』と放言した
のである。(朝日)
脱落してしまっている船で、だ捕したいというのである。
追うどころか、踵を返して2時間近くも経って、もう70キロ以上も離
れてしまっている筈の船で、追跡に努力するというのである。
24日01:15、川崎運輸相は、【追跡】断念を発表。海上自衛隊に
引き継ぐ。
海保の15隻すべてが脱落してから、実に4時間後のことであった。
シナリオはここで、大見得を切らせる。
『海保船が速力で対応できず、海自に要請』
そして、米軍情報を丸ごと使った、【北朝鮮入港】で、この茶番劇の幕
を閉じた。
奄美沖で、第2幕が開いた。
発端は佐渡沖と同じく、衛星写真と無線傍受であった。
船は、後部に機関室、その後ろに調理兼船員室、上部に操舵室、前部に
船倉が小型船の基本形だから、殆どが同型になる。
海保が、大和丸と長漁3705と同型で怪しんだというが、数十万キロの上
空から偶然写った【真上から見た】船らしき棒状の物体が、哨戒機による
被写船を識別できる筈は、絶対にない。
何の為に何処へ行くのかなど判る筈もない。
無線も、秘密任務に出発したばかりのスパイ船が、何の用があって佐渡
沖の時にも解読されていると喧伝された同じ方法で、連絡しあう必要があ
るのか、そんなトンマなスパイ話は、幼児の寓話でも通用しないだろう.
国会でどんな通信内容であったのかと質問されると、捜査上の秘密とか
防衛上から明らかに出来ないなどと逃げ込む卑劣さ。
同じ傍受機密でも、『もし捕まったら自爆せよ』というガセは、政府関
係者という黒子を使って流させる操作はするのである。
レッキとした中国船籍表示よりも、偽装工作船の判断を優先させる不思
議な構図は、佐渡沖と同様【不審船】の正体を、始めから知っていたこと
をうかがわせる。
第二幕で、第一幕の間違いを訂正した部分がある。
亡命者が上陸用の小船は、5トン級だと証言したウソを修正したこと。
5トンと言えば、10メートルはある。船員室を貫きエンジンを撤去し
なければ収まらない。そんな重量の船尾での出し入れは、浸水沈没を伴う
。そこでエンジンは、船の前部にあると仰天の断定をしたのである。
通常では、発想できないこの断定の自信は、仕組みを知っているか、又
は、爆破でその【証拠】を消すとも考えられる。
15人を見殺しにしたという。それは、救難をも任務とする職務の怠慢
という次元ではない。駿速の機動力をもつ巡視艇が、気温4度の海で生死
の境にある溺者を、救助、否、何故【逮捕】しないのか。反撃も、高波も
、巻き込みも、すべて詭弁でしかない。
事件の流れから見れば、【口封じのため】或いは【生き証人になっては
困る】仕組みがあったのではないか。
なぜか15人と判っている人々は、『こんな約束ではなかった』と、家
族を案じながら、沈んで逝ったのではないか。
帰港した船長たちの証言では、「現場の巡視船は漂流する不審船の乗組
員から500メートル以上離れるよう」指示されていた(西日本)という
悪魔の声が、理不全な事件の結末を納得させる。
感想文を戴けたら幸甚です。
本間 正勝 honma-ma@sea.plala.or.jp