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ロシア 核施設の防護はおざなり 予算消化は計画の10% 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 7 月 31 日 22:04:41:

07/31 15:43 予算消化は計画の10% 核施設の防護はおざなり  外信71

 ロシアの核問題に詳しい国際環境保護団体グリーンピース・モス
クワ支部のウラジーミル・チュプロフ氏に、ロシアの核管理の現状
と課題を聞いた。(モスクワ共同=有田司)          
 ―グリーンピースのメンバーはどうやって核施設に侵入したのか
 「入ったのは核閉鎖都市『クラスノヤルスク26』にある三千ト
ンの核燃料保管施設。下院議員も同行した。森林地帯を抜けて行っ
たら検問もなく、だれにも会わずに施設へたどり着いた。ビデオや
写真もたくさん撮った。地元検察も警備に問題があったことを認め
ている」                          
 ―特殊な事例では                     
 「他の核施設も状況は似たりよったり。ロシアの核施設の防護に
は計画された予算の10―20%しか執行されていない。保管、再
処理技術も時代遅れで、放射能漏れ事故の危険性が極めて高い」 
 ―特に危険な施設は                    
 「チェリャビンスク州の核再処理施設マヤーク。クラスノヤルス
クやトムスクの核施設や、使用済み核燃料の輸送自体も危険だ」 
 ―主要国サミットでの二百億ドル支援の背景は。       
 「ロシアのこのような悲惨でみじめな核管理システムの改善に金
を出さなければ、全世界が(ロシアの核の)『人質』となってしま
うからだ。しかし問題点は多い」               
 ―二百億ドルでも足りないのか               
 「金額は十分だと思う。問題はロシア原子力省に事業を任せない
ことだ。原子力省にこれだけの事業を管理できる能力はなく、金は
どこかに消えてしまうだろう。原子力省が巨額の収入を見込む核廃
棄物の輸入計画にこの資金を流用する懸念もある」       
 ―支援を有効活用するには                 
 「優先度は退役原潜の解体、次に核施設の防護。三番目はあらゆ
る核廃棄物を長期保管する施設の建設だ。事業を実施するために、
民間の専門家を交えた省庁間委員会をつくるべきだ」      
   ×    ×                     
 ウラジーミル・チュプロフ氏 1970年8月モスクワ生まれ。
環境政治大卒。94年からグリーンピースで活動。核問題のほか、
石油採掘による環境汚染などの問題に詳しい。現在モスクワ支部エ
ネルギー問題コーディネーター。               
(了)  020731 1542              
[2002-07-31-15:43]
07/31 15:41 ロシアの核閉鎖都市とは  外信72

 ロシアの核閉鎖都市 旧ソ連時代から核、原子力技術の開発、研
究の拠点として外国人はもちろん、一般のロシア人の自由な立ち入
りも厳しく規制してきた研究都市。ウラル地方のスネジンスク(旧
チェリャビンスク70)やシベリアのジェレズノゴルスク(同クラ
スノヤルスク26)など約10カ所があるが、いずれも旧ソ連崩壊
後の財源不足で研究施設、人員の維持、管理に苦しんでいる。(共
同)                            
(了)  020731 1540              
[2002-07-31-15:41]

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