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2002.07.22
米軍のビッグチャレンジ GIG (Global Information Grid)
コメンテータ
戦略技術研究部 主席研究員 浅原 健
ITという言葉は、米国のClinger-Cohen Act of 1996 "Information Technology Reform Act"で初めて定義されたが、そのような語源をよそに一人歩きし、もはや知らない人はない言葉となっている。米軍や世界各国の軍事機関では、IT革命の軍事版(RMA:Revolution of Military Affair)という言葉も並行して広がった。巷の噂では、言葉だけで何も変わらないのでは、というようなことも言われてきたが、米軍ではRMAの一環として、果敢なチャレンジが進行している。
同Actでは、CIO(Chief Information Officer)を国防総省レベルで一人おき、ネットワーク・システムを構築するだけでなく、必要な「情報」を、確実に利用できるようにする責任と権限を与えた。米軍のシステムをネットワークでつなぐだけでなく、任務遂行に必要な情報が無ければ、情報ソース機関に対し、それを提供することを命令できるのである。逆に、いざという時に必要な情報が正しく、タイムリーに利用できなければ、CIOの責任になるわけである。米軍はCIOの下、世界中に展開する米軍のシステム及びネットワーク全体を1つの兵器システムGlobal Information Gridとして構築中である。GIGはインターネットのような包括的かつ具体性のある概念であるが、この中で米軍全体の所謂 BPR(Business Process Reengineering)にチャレンジしているのである。
冗談だろうと疑ってしまうような大きな構想であるが、実際に遂行され、成果はアフガンの軍事作戦においても既に生かされているようである。このような大きな枠組みを作るのは、米軍は極めてうまい。感嘆の一言である。加えてこれを実際に行うというのも、驚きの1つである。日本人は、このような大きな枠組みをつくり、そしてチャレンジすることを、米軍から学ばなくてはいけないと思う。