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【ソウル澤田克己】
ソウル中心部を流れる漢江上流部の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)領域に建設された金剛山ダムに決壊の恐れがあることが判明し、台風の季節を前に韓国で大きな問題となっている。韓国側では領域内にある下流ダムの補強工事を進めるなど対策に追われているが、北朝鮮側は「安全性に問題ない」と主張して現地調査にも応じていない。
漢江の源流は、北朝鮮南東部の山中で、南北軍事境界線を越えて黄海に注いでいる。韓国建設交通省によると、北朝鮮は99年6月、金剛山ダム建設を本格化し、1年5カ月の突貫工事で高さ88メートル、貯水量9・1億トンの1期工事を終えた。計画では、高さ121・5メートル、貯水量26・2億トンの大型ダムになる。
下流に流れ込む水量が今年初めに急増したため、韓国政府が米国の衛星写真を分析したところ、ダム頂上部に幅20メートル、深さ15メートルの穴が開くなど、2カ所の崩壊部分を発見した。さらに、6月に撮影した衛星写真では、北朝鮮が2期工事に着手したことが確認された。
韓国はダム建設計画が明らかになった80年代後半、北朝鮮が大量の水を一気に放流してソウルを「水攻め」することを警戒し、下流部に「平和のダム」を建設した。
しかし、同ダムの貯水量は5・9億トンしかない。そのため、韓国政府は最近、04年完工を目標に、平和のダムの貯水量を26・2億トンまで増やすことを決めた。完工までは、平和のダムなど2つのダムをカラにして万一の洪水に備えるという。