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07/18 16:52 植民地、移民で両国険悪化 ジブラルタルの小島が緊 外信61
スペイン、モロッコ双方が領有を主張するジブラルタル海峡の無
人島ペレヒル島(モロッコ名・レイラ島)をめぐる両軍の上陸合戦
で、両国関係が険悪化している。
発端となった十一日のモロッコ軍上陸は「対テロ戦争」「不法移
民摘発」という西欧にとっての錦の御旗を逆手に取った「沿岸警備
の強化」が名目だった。
モロッコ軍が島に掲げた国旗を引き下ろし、フリゲート艦や潜水
艦まで派遣して十七日の奪還作戦を成功させたスペインは、モロッ
コ本土内にセウタ、メリジャの二海外領土を有し、モロッコから「
アフリカ大陸最後の植民地を返還せよ」と求められている。
そのスペインはセウタの対岸に位置するイベリア半島の英領ジブ
ラルタルの返還を英国と交渉中。モロッコのメディアは「ジブラル
タルがスペインに戻るなら、セウタとメリジャがモロッコに帰する
のは道理」とスペインを批判する。
しかし、そのモロッコは一九七五年にスペインの独裁者フランコ
総統が死去した際、それまでスペイン統治下にあった西サハラの領
有を主張。以来、独立を唱えるポリサリオ戦線を圧迫し続けている
。砂漠地帯に二十五万平方キロを占める西サハラは石油資源の開発
が有望とされる。
まさに二重三重に当事者間の利害が絡み合い、スペインとモロッ
コの対立は国連、アラブ連盟、イスラム諸国会議機構といった国際
機関を巻き込んで複雑化した。
問題の無人島はモロッコ本土の沖約二百メートル、面積十三・五
ヘクタールの大半は岩場でヤギがわずかに住んでいる。
近年はモロッコ沿岸から深夜にゴムボートでスペイン密入国を図
る不法移民が後を絶たず、事故で水死する人も続出。スペインは再
三、モロッコに「水際監視」を求めていた。
さらに昨年九月の米中枢同時テロの実行犯らがスペインで会合を
繰り返していたことも発覚。「移民嫌悪」と「テロ対策」が融合し
、両国間の国民感情は険悪化の極みに達していた。
モロッコのマグレブ・アラブ通信は「祖国の一部であるレイラ島
をスペインが強襲した」と扇情的に報じ、「無人島に監視施設を作
り、警察活動をしたわが軍に全く非はない」と主張。
ラバトで十二日、モロッコが国を挙げて祝ったモハメド国王の結
婚式には王室同士で長い友好関係を築いたスペイン国王の姿はなか
った。(パリ共同=信夫聡)
(了) 020718 1651
[2002-07-18-16:52]