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「阿修羅」の書評欄担当として、また、新しい本をご紹介できることをうれしく思います(笑)。
草思社から出たばかりの「アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか」という本で、著者は菅原出という人。オランダのアムステルダム大を卒業後、オランダの日系企業を経てフリーランスのライターになったようで、小生は初見の人です。
内容は、米国にもヒトラーやドイツ企業を支援する有力者が多数いて、これらの人々と反ナチス派だったルーズベルトやチャーチル、そのブレーンや諜報関係者の戦いをたどったものです。ビッグリンカーや裏面史に興味のある方には、なかなか興味深い内容でしょう。
特に、アフガン、中東絡みでは、ブッシュ家とビンラディン家のつながりにもメスを入れています。その一部をご紹介しますと
@ダブヤの曽祖父のジョージ・ウォーカーはドイツの富豪、ティッセン家が設立した貿易海運銀行と深い関係にあったユニオン・バンキング(ニューヨーク)の社長だった。ユニオン・バンキングは米国の資金をナチス・ドイツに流す役割を果たしていた。この関係は第二次大戦が始まっても変わらず、ダブヤの祖父のプレスコット・ブッシュも父を手伝う形でユニオン・バンキングで働いていたAダブヤのパパはニクソン政権時代に共和党全国委員長を務めていたが、在米の元ナチやナチ支持者が中心になり設立された共和党全国民族評議会と深いつながりが出来た。1988年のダブヤ・パパの大統領選挙では、ユダヤ系の雑誌「ブッシユ陣営は、反ユダヤ主義視野や親ファシストばかり」と非難し、ベーカーがわびる破目となったBダブヤ・パパはエール大学在学中から「諜報界の貴公子」ととして注目を浴びていた。その理由のひとつは、父親のプレスコットが米陸軍の情報部に在籍していたためCダブヤパパはロシアからの亡命貴族のド・モーレンシルツと親しくしていた。モーレンシルツは、アレン・ダレスの命でヒトラーの情報機関に潜っていた男だ(この本では触れていませんが
ド・モーレンシルツはケネディ暗殺を巡る疑惑の常連であり、オズワルドと面識があり、オズワルドの妻、マリナを色々、支援していました。また、これもなぞの男であるディビッド・フェリーともつきあいがありました。そして、変死を遂げています)。Dイラン・コントラ事件の中心人物もダブヤ・パパだったEダブヤの弟でフロリダ州知事のジェブも、マイアミで、反サンディニエスタ運動に若い頃から従事していた−−−などです。そう新しい情報はありませんが、ダブヤ一家が相当にキナ臭くウサン臭いファミリーであること、どちらかといえば親ナチであったこと、中南米の諜報活動に深くコミットしていたこと、ひょっとしたらケネディ暗殺にもコミットしたか、真相を知る立場にあったことーーはどうも「動かしがたい事実」のようです。
また、ビンラディン家との関係やBCCI問題にもメスを入れています。やはり、「米国の闇」は相当に深いようです。