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(回答先: Re: 語ったことが真意ならこの軍高官は愚か者 投稿者 あっしら 日時 2002 年 7 月 09 日 01:59:13)
この春、ダブヤとパウエルがイスラエル軍のパレスチナ領土侵攻を黙認したために、多数の犠牲者が出た。パレスチナに、そして、イスラエルにもね。その双方の犠牲者が、アメリカとその衛星諸国の政策の犠牲者だと言えるだろう。そして、その無力を印象付けたために、アラファト議長の権威が低下したのは事実だね。そしてパウエルが、ポスト・アラファト陣営と密かに会合を開いているとも言うのだね。どこまで本当の話か別としてね。
アラファト議長が「監禁」状態から解除され、パレスチナ領土を視察しても、侵攻のあった西岸では、彼を余り歓待しなかったようだね。アラファトが、「自爆テロ」を非難したりしたのが、何より問題だった。それは、アメリカ政府の強要した事だが、パレスチナ人にとっての最大の裏切りだったからだろうね。
自爆攻撃は、マレーシアで開かれたイスラム会議でも、「テロ」とは認定されていない。だから、自爆攻撃もやまないし、イスラエルの観光産業も大打撃を受けるのだね。この攻撃を「テロ」として非難したアラファト議長が、逆にパレスチナ人の信頼を失ったとしても、不思議は無いだろうね。そこのところを計算できなかったのが、アラファトの失敗だね。アラファトは、アメリカとイスラエルに妥協してパレスチナ自治政府の延命を計ったのだが、それが逆効果を生んだのは間違いが無い。
しかしだからと言って、反アラファト陣営が、これでアラファトが失脚すると考えるのは、「甘い」だろうね。アラファトは、伝説的な「闘士」ではあるが、すでに「老人」でもある。彼の唇の震えを見れば、彼がとうに激務に耐えない体だった事は、誰にでも判る事だね。つまり、アラファトは、今さら失脚はしないのだね。彼は、「老兵」として、消えるのみでね。これも、アメリカと衛星諸国の計算違いだ。
アラファトの、アメリカとイスラエル双方に低姿勢で取り入るかのような「自爆テロ非難」は、腐敗政治家の言だとして、パレスチナ人の感情を逆撫でした。その衝撃は、ここで木村愛二が投稿した「テロ非難」どころの騒ぎでは無かったね。そして、アラファトでは駄目だろうと、強硬派の「ハマス」が期待を集める事になった。だからいま、ハマスの幹部が暗殺されている。
アメリカとイスラエルが、まずアラファトを篭絡し、次にはハマスを抹殺し、その後で、かねてから水面下で癒着していた「穏健派」パレスチナ人をパレスチナの政権につけようと考えているのは、間違いが無いようだね。しかし、アラファトは、もともと引退目前の人間だ。その彼を、わざわざ失脚させようとたくらんだり殺戮を繰り返してきたアメリカと衛星諸国の政治屋や戦争屋たちが、利口だとは言え無い。策士気取りは彼らの勝手だが、策士は裏をかかれやすいから心配だろうね。
いくらなんでも、その手の軽佻浮薄な策士や権力欲の亡者たちが、アラファトであれ誰であれ、パレスチナのいわゆる「唯一かつ正統な代表」政府を操る事が、可能だとは思え無いね。もっとも、アラファト議長としても、選挙など待つまでも無く、自ら後継者を立て、自治政府の将来を託しておくべき時だったろうがね。アフガンを観れば判るように、策士気取りの「文明諸国」が介入する余地を残せば、後は馬鹿げた内紛と殺戮が続くだけで、何も残らないのだからね。アラファト陣営は、その手の国家集団に介入させないよう、自ら自治政府の「唯一かつ正統な」後継者を立てるなり、先手を打つべき時だがね。