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【エルサレム海保真人】
アラファト・パレスチナ自治政府議長は4日、ヨルダン川西岸地区保安警察のラジューブ長官に解任を通告した。同長官は治安当局の実力者で、米国などから退陣を求められているアラファト議長の有力後継者の1人。治安当局の改革が表向きの理由とされるが、「後継者つぶし」との批判も予想され、今後、パレスチナ内で軋轢(あつれき)が生じる可能性が強い。
自治政府筋によると、アラファト議長はラジューブ長官に書面で警察長官職の解任と、西岸ジェニン知事への配置転換を告げた。同長官の後任にはマナスラ現ジェニン知事が充てられるという。
アラファト議長とラジューブ長官は今年2月以来、武装勢力の取り締まり方法などをめぐり不仲が伝えられてきた。数日前から解任の噂は広がっていたが、同長官は否定し、「議長から直接の命令があれば従う」と語っていた。
アラファト議長は今回、他にガザのジャバリ文民警察長官にも解任を通告したとされる。治安当局筋によれば、ジャバリ長官は4日、辞職を決意し、来年1月に予定される自治政府議長選への出馬を示唆したという。
アラファト議長は、10組織ほどに分かれ、過激派抑制対策で統制が取れていない治安当局について、米とイスラエルから再編を求められている。議長は先月、内閣改造で新たにヤヒヤ内相を起用し、その指揮下で組織の一本化を図ろうとしている。しかし、これまでアラファト体制を支え、米国やイスラエルにも近いといわれたラジューブ長官の解任により、内部の批判が高まるのは避けられないとみられる。