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06/27 16:11 住民巻き添えに多数の死者 ネパール毛派と軍の衝突 外信50
共同
ヒマラヤ山脈の王国ネパールでは、昨年六月の衝撃的な王族射殺
事件から一年を経る中、共産党毛沢東主義派が武装闘争を活発化、
軍との激しい衝突を繰り返している。「冷戦後」の世界に登場した
毛派の実態について専門家の谷川昌幸・長崎大教授(ネパール現代
政治)に聞いた。(共同=石山永一郎)
―軍との衝突が激しくなっている。
「以前の毛派は警察は襲っても軍との衝突は避けていたが、昨年
十一月に軍との全面対決に方針を転換した。三月にカトマンズに行
った際、町の要所に銃を構えた軍隊の姿が見られるなど、情勢は緊
張の度合いを増していると感じた」
―一日に数百人の死者が発表されることもある。
「宣伝戦もあるだろうが、昨年十一月以来、双方合わせて千人以
上の死者が出ているのは確実。相当数の一般住民が犠牲者に含まれ
ているとみられる。毛派の勢力が強い西部の農村で住民は軍、毛派
双方から『忠誠』を迫られている。『毛派を掃討』といった軍の発
表の実態には、毛派支持とみなした住民を村ごと殺している例もあ
るのでは」
―毛派の指導層は。
「最高指導者プスパ・カマル・ダハルは一九五四年に農家に生ま
れ、農民運動から共産主義運動に入った人物でカリスマ的存在。イ
ンドの大学を出たインテリのバブラム・バッタライ人民評議会議長
がナンバー2で、その妻が女性組織の最高指導者ヒシラ・ヤミだ」
―毛派の支持層は。
「毛派ゲリラには、貧困層とともにマガール、タマンなどの少数
民族が多い。軍に夫や兄弟を殺されたり、レイプされるなどの体験
をきっかけに身を投じた女性が多いのも特徴。王制打倒、共和制樹
立が最大のスローガンだが、反インド、反ヒンズー、反カーストの
民族主義的な部分もある」
―五月十一日に毛派はマヘンドラ・サンスクリット大学に火を放
ち、五万点の貴重な文献を焼いた。
「一部の私立校が行っているサンスクリット語学習の授業を政府
が公立校でも実施しようとしていることへの反対だ。サンスクリッ
ト語はヒンズー文化と密接なつながりを持つゆえに、毛派は民族主
義的文脈で敵視している」
―隣国との関係は。
「現在の中国にとって、毛沢東主義を掲げる武装集団はむしろ迷
惑。支援関係はないはずだ。インドは、勢力圏とみなすネパールで
毛派が実際に政権を握るとなれば座視できない。パキスタンのイス
ラム勢力が反インドの毛派を支援しているとも言われている」
(了) 020627 1610
[2002-06-27-16:11]
06/27 15:51 ネパール共産党毛派とは 外信51
ネパール共産党毛沢東主義派 1990年のネパール民主化運動
を担った左派の一部が、統一共産党などと分かれ96年に人民戦争
開始を宣言して創設した最左派の非合法政党。貧困層などの支持で
西部を中心とした多くの地域で農村、山間部を実効支配。最高指導
者は書記長のプスパ・カマル・ダハル。王制打倒を掲げて軍と武力
衝突を続け、毛派誕生以来、軍、毛派双方の死者は4000人以上
とみられている。(共同)
(了) 020627 1550
[2002-06-27-15:51]