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ブッシュ米大統領は24日、「パレスチナ暫定国家」の樹立を柱とする中東和平の新方針を発表した。その条件としてパレスチナ自治政府のアラファト議長の退陣をパレスチナ側に要求。イスラエルには占領地からの撤退や入植活動の停止を促した。恒久的な国家創設を巡る最終合意を3年以内に達成したい考えも表明した。
ホワイトハウスの中庭でパウエル国務長官、ラムズフェルド国防長官らを従えて声明を読み上げた大統領はパレスチナ暫定国家の創設に当たり、パレスチナ側の自助努力が必要との立場を強調。具体的には民主主義導入に向けた新憲法の制定し、複数政党による地方選挙の年内実施した後に総選挙実施することを挙げた。(6.24日経)
パウエル米国務長官は25日、アラファト・パレスチナ自治政府議長への引退勧告などを盛り込んだブッシュ大統領による中東和平の新方針に関連して、パレスチナ人による指導者選出を原則として尊重する考えを示した。米ラジオのインタビューの中で、長官は「(選挙後の)環境(パレスチナ新指導部)と取引する」と述べた。
大統領は24日の声明で、アラファト議長を頂点とするパレスチナ自治政府の現執行部の刷新を要求したが、パウエル長官の発言は公正な選挙を経た上で、アラファト議長が再度指導者に選出された場合には、米国は交渉を拒否しない可能性を示唆したものとも受け取れる。(6.25日経)
[コメント]ついにパレスチナに、民主主義憲法制定の和平構想をアメリカが打ち出してきた。対象国の政権の制御を常とするアメリカにしては、やや遅かったように思う。アラファトの指導力の低下は1993年9月のオスロ合意より少し前からだと思うが、アラファトがイスラム原理主義組織から強力な圧力をかけられ、狙われていたこの約10年、パレスチナ社会の最大の問題点は、民主化が遅れていたことであったと思う。
ところでアメリカは東エルサレムの問題をどうするのであろうか。「パレスチナ暫定国家」の首都をどこにするつもりなのだろうか。PLOの目指すパレスチナ国家の首都は「聖地」東エルサレムであり、ここでまた領土を主張するユダヤ教のイスラエルと衝突する。
パウエル発言どうりにいったとして、現状で選挙を実施した場合、アラファト議長が再度指導者に選出される可能性が高い。アラファト排除を主張するシャロン政権は、イスラエルにとって、この根気の要るアメリカの和平構想以外に、「出口」に通ずる選択肢を作ることはできないのではないか。