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「火薬庫」に火種残る 印パ、越境再開なら危機へ 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 6 月 25 日 18:13:56:

06/25 16:10 「火薬庫」に火種残る 印パ、越境再開なら危機へ  外信82
共同
 核戦争への発展も懸念されたインドとパキスタンの軍事衝突の危
機は、国際社会の仲介と両国の譲歩によってひとまず回避された。
しかし、カシミール帰属問題は解決のめどが立っておらず「世界最
大の火薬庫」(外交筋)の火種は、依然として残されたままだ。 
 危機再燃の誘因となるのは、カシミールの実効支配線(停戦ライ
ン)を越え、インド領内へ侵入していたイスラム過激派の動向だ。
 今のところ「越境テロはほぼ終息」(フェルナンデス・インド国
防相)し、ムシャラフ・パキスタン大統領の公約が実行されている
が、軍事関係者らは「恒久的な停止」には懐疑的で、雨期が明ける
九月以降の侵入再開を予測している。             
 イスラム過激派に通じる消息筋によると、米国などの圧力を受け
たムシャラフ大統領は五月末、軍情報機関の三軍統合情報部(IS
I)に対し、越境阻止を命令。担当将校は「ラシュカレトイバ」や
「ハラカト・ムジャヒディン」など過激派組織の指導者らを集め、
侵入活動の停止を求めた。                  
 消息筋は「パキスタン軍の支援を得られなくなった過激派は、当
面越境作戦を遂行できなくなったが、ISIからは短期の活動停止
を要請されただけと受け取っている」と話す。         
 ISIは、インドへの破壊工作の必要性から、これまで過激派組
織を育成、支援してきており、現場レベルでの双方の結束は固いと
されている。                        
 一方、インド側は、十月に予定されている領内のジャム・カシミ
ール州議会選挙前に、過激派の越境、妨害工作が再び活発化すると
みており、それまで増強した軍部隊を撤収させる気配を見せていな
い。                            
 フェルナンデス国防相によると、同州内で活動するイスラム過激
派は約三千人。選挙を通じ、インド支配の固定に有利な州議会を設
立しようとするインドは、越境が止まっているうちに、領内で過激
派掃討作戦を強化する構えだ。                
 過激派組織はことし一月以降、パキスタン国内で米紙記者誘拐・
殺害や外国人を標的にした爆弾テロ事件を引き起こしている。  
 外交筋は「一連の事件はムシャラフ大統領への警告。(米中枢同
時テロ事件後の)米国追従路線には軍部でも不満が広がっている。
過激派への締め付けが行きすぎると、大統領は墓穴を掘ることにな
る」と分析している。(イスラマバード共同=近藤順夫)    
(了)  020625 1609              
[2002-06-25-16:10]

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