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ブッシュ米大統領は24日、ホワイトハウスで演説し、パレスチナ自治政府のアラファト議長の退陣を条件にパレスチナ暫定国家を創設し、その後恒久的な国家創設に向け3年以内の最終合意を目指すことを柱とする米政府の新たな中東和平方針を発表した。イスラエルに対しては占領地からの撤退や入植活動の停止を要求した。
今回の新構想でブッシュ大統領は、イスラエルとパレスチナの平和共存に向けた道筋を提示、双方の間の「暴力の悪循環」で危機を迎えた中東和平プロセスに米国がより深く関与する姿勢を誇示した。
しかしアラファト議長退陣をパレスチナ側が受け入れる可能性は低く、米政府の構想通りに和平が進むのは極めて困難とみられる。
◆ブッシュ米大統領が24日行った新中東和平構想に関する演説の要旨は次の通り。
一、あまりに長い間、中東の市民は死と恐怖の下で生きてきた。人間性の名において、中東の状況は変わらなければならない。
一、私の構想は二つの国家が平和と安全の下で共存することだ。平和は全当事者がテロと戦わなければ達成できない。
一、平和のためには新たな、別のパレスチナ指導部が必要だ。それでこそ新しいパレスチナ国家が生まれる。パレスチナ市民にテロと妥協しない新しい指導部を選ぶよう要請する。
一、パレスチナ市民が新指導部、新制度、隣国との安全保障の取り決めを得たとき、米国は暫定国家の創設を支持する。
一、国境線など、パレスチナ国家の主権にかかわる諸点は最終交渉で合意されるまで暫定的なものとする。
一、パレスチナの真の改革のためには、民主主義、市場経済、対テロ行動に基づく新しい政治、経済制度が必要だ。
一、米国や国際社会はパレスチナが新しい憲法の枠組みを獲得できるよう支援する。また、年末までの公正な地方選挙の実施を助ける。
一、安定した平和なパレスチナ国家はイスラエルの安全保障にとって必要なものだ。イスラエルに対して、2000年9月28日以前の地点まで軍を撤退させるよう要請する。占領地での入植活動は停止すべきだ。
一、真の平和のためには紛争の核心的問題の解決が必要だ。これは、イスラエルが国連安保理決議242、338に基づき、1967年に始まった占領をやめることを意味する。エルサレムにかかわる問題、パレスチナ難民問題、イスラエルとレバノン、シリア間の最終和平問題なども解決しなければならない。
一、パレスチナに新指導部、新制度が生まれれば、イスラエルが最終地位に関する合意に向けて行動すると思う。われわれすべてが努力すれば、合意は3年以内に達成することも可能だ。
(ワシントン共同)