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【エルサレム海保真人】
シャロン・イスラエル首相は8日夜、米国へ向けて出発、10日にブッシュ米大統領と会談する。パレスチナ国家独立を含む中東和平の促進を図ろうとしているムバラク・エジプト大統領とブッシュ大統領の会談を受け、早急な動きをけん制するのが狙いとみられる。アラファト・パレスチナ自治政府議長の処遇と和平の行方をめぐり、イスラエル、米、エジプト間でし烈な駆け引きが展開されている。
シャロン首相はムバラク・ブッシュ会談の開催と成り行きを懸念し、急きょブッシュ大統領に自分との会談を要請したとされる。ムバラク大統領はパレスチナ国家の早期独立や中東和平国際会議の開催などを主張、イスラエルと米に「テロを抑止していない」と批判されるアラファト議長を擁護している。首相の訪米はこうしたムバラク大統領の動きにくぎをさすのが最大の目的とみられる。
さらに、7日付のイスラエル紙マーリブによると、首相はイスラエル兵ら17人が殺害された5日の自爆テロの後、ますます態度を硬化させ、アラファト議長をパレスチナ自治区から追い出し、影響力を完全に排除する追放策に再び傾き始めた。このためブッシュ大統領に追放策の了解を求める予定という。
シャロン首相は6日、イスラエル軍にアラファト議長の議長府を攻撃させ、「最後通告」ともいえる威嚇に出た。半日で撤退させたのは、ブッシュ会談を控えていたためとの見方が強い。
米政府の中では、国防省サイドが反アラファト議長に傾いているのに対し、国務省サイドは議長にチャンスを与えようとし、和平交渉の明確な予定表を設定したがっていると伝えられる。ブッシュ大統領はムバラク、シャロン会談を終えた後、当面の中東政策の方針を固めるとみられており、結果が注目される。