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(回答先: アーミテージ米国務副長官がインドに到着、バジパイ首相らと会談へ[ニューデリー7日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 6 月 07 日 20:45:29)
印パ・霧の中の危険なゲーム〜核抑止のタガがはずれて「限定戦争」は目の前
ニシド・ハジャリ
ふつう、戦況が読める、読めないといった話は、戦闘が始まってからするものだ。だが、インドとパキスタンが領有権をめぐって対立を続けるカシミールでは、すでに「戦況」は霧の中にある。
核戦争の脅威にさらされていながら、どちらの国も相手の核攻撃の能力について、ほとんど情報をつかんでいない。保有する核弾頭の数も、相手がどんな場合に、どのように核兵器を使うかもわかっていないのだ。
98年、印パ両国は軍事力を誇示して優位に立つために核実験を行った。だが、その回数について双方の報告は対立している。
相手の戦力が把握できないということは、一触即発の事態も起こりうるということだ。
昨年12月、インドの国会議事堂が武装グループによって襲撃される事件が起きた。パキスタンの関与が取りざたされたことから、インドは報復も辞さない姿勢を表明。今年1月以来、合わせて100万人といわれる両国の軍隊が、カシミールの「実効支配線」と呼ばれる事実上の国境でにらみ合いを続けている。
5月14日には、イスラム過激派がカシミールのインド軍駐屯地を襲撃する事件が起きた。これを受けてインドは、カシミールの前線に大規模な部隊を、パキスタン近くの海上に軍艦を急派した。インドのアタル・ビハリ・バジパイ首相は22日、実効支配線の前線基地で「勝敗を決すべき戦いのときが来た」と語っている。
これまで、インドが威嚇攻撃を行うのは、アメリカからパキスタンのパルベズ・ムシャラフ大統領に圧力をかけさせるためだった。今も専門家の多くは、ジャック・ストロー英外相やリチャード・アーミテージ米国務副長官らの仲介が行われる間は、インドは攻撃を控えるだろうとみている。
「計算違い」の恐ろしさ
だが印パ両国の当局者によれば、インド政府は今回は、限定的な攻撃なら全面戦争に拡大することはないと考えているらしい。限定的な攻撃とは、パキスタン側カシミールにあるテロリストの拠点を、通常兵器で攻撃することだ。
一部のアナリストによれば、インドはカシミールにいたる山岳ルートの掌握もねらっているらしい。過激派のカシミールへの侵入を防ぐためだ。さらに北に侵攻し、パキスタンの重要な水源であるインダス川の流域を支配することまで視野に入れているという声もある。
南アジアの戦略的なバランスは、長年「醜悪な安定」と呼ばれるものの上に成り立ってきた。つまり核の脅威があるために、インドとパキスタンは全面対決を避けてきたのだ。
「カシミールで、インド軍がパキスタン側の挑発行為にそのまま乗ることはなかった」と、ワシントンにあるスティムソン・センターの南アジア安全保障問題専門家、マイケル・クレポンは言う。しかし今、インドは対応のルールを変えつつあるようだ。
インドにもパキスタンにも、どんな場合に核兵器を使用するかという明確なガイドラインは存在しない。パキスタンのジャベド・アシュラフ運輸通信相は先週、「パキスタンの存亡がかかっている場合」と述べたが、ずいぶん漠然とした話だ。
たとえインドの攻撃が通常兵器によるものでも、パキスタンの軍事力はインドよりもはるかに劣る。追い詰められて強烈な反撃に走らないとは言いきれない。
どちらかが計算違いをする可能性も見逃せない。クレポンは先ごろ、インド軍の高官たちに対し、「どのような行為がパキスタン側の核による報復を引き起こすか理解しているか」と尋ねてみたという。「1人を除き、全員がイエスと答えた。だが、どんな行為が引き金になるのかという点では、一つとして同じ答えはなかった」
こんな状況で戦争が始まれば、両国は深い霧の中に迷い込んでしまいかねない。
危うい均衡が崩れたとき
これまで印パの間では、報復合戦は小規模なものにとどまっていた。
だが全面戦争が起きた場合、両国はどんな兵器で戦うのか。
パキスタン
パキスタン政府の「攻撃的防御」政策を支えているのが、ミサイル開発計画。中距離弾道ミサイル「シャヒーン」は核弾頭を搭載でき、長距離ミサイル「ガウリ」はインドのほぼ全域を射程に収めるという。核兵器を搭載できるF16戦闘爆撃機も保有
インド
インドの核戦略の中心は空軍だ。高性能の空対空ミサイルを搭載できる新型の戦闘爆撃機を保有しており、空軍力で優勢を保つ。カシミールの前線近くには、核弾頭を搭載可能なミサイル「プリトビ」を配備