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06/01 17:12 印パ偶発戦争の危険増す 核保有゛願望″高める 外信46
共同
インド・パキスタン情勢について、米国の南アジア研究の第一人
者スティーブン・コーエン・ブルッキングズ研究所上級研究員は、
偶発戦争の可能性が大きいと指摘。両国の核兵器保有がクローズア
ップされることで、他国の核開発゛願望″を高める結果となってい
ると述べた。(共同=杉田弘毅)
―なぜ今、両国間の緊張が高まっているのか。
「今回の危機は、昨年十二月のイスラム過激派によるインド国会
議事堂襲撃事件で始まったが、今年三月にインド西部グジャラート
州で起きたヒンズー教徒とイスラム教徒の宗教暴動で、バジパイ・
インド首相は対パキスタン強硬姿勢を打ち出さざるを得ない立場と
なった。パキスタンのムシャラフ大統領は今年四月の国民投票で強
引に続投を決めたために、強い指導者をアピールする必要がある。
二人とも国内世論に左右されている」
―戦争の可能性は。
「可能性が大きいのは、(1)前線地帯上空の航空機を敵軍機の
襲撃と誤認して攻撃(2)カシミールでの衝突のエスカレート(3
)核物質の盗難疑惑を相手国の作戦と誤解―などの、偶発的、愚か
な判断による戦争開始だ」
―米国の介入が遅い。
「ブッシュ政権は当事国同士で解決できない紛争に介入するのに
消極的だ。イラク、中東和平、ロシアとの戦略核削減交渉、ミサイ
ル防衛などで忙しい。南アジア情勢は三番目か四番目の問題で、政
権は長期的な戦略も持っていない。結局は両国間の対話を促す調停
となるだろう」
「インド・パキスタン間の調停を始めると、アルカイダ掃討戦や
対イラク戦争の計画が混乱するとの懸念もある。だが対テロ戦でよ
り重要なのはパキスタンを安定させることだ。米政権はこの点に気
づいている」
―核使用のシナリオは。
「米政権は核が両国間の戦争抑止力となっていると判断している
。最初に使うとすれば、パキスタンだが、今でさえ、両国の核に注
目が集まり、イランやイラクなどイスラム諸国はあらためて核保有
の意義を再認識している。核使用となれば、中国は核増強を飛躍的
に加速するだろうし、台湾、そして日本の核武装も現実的な課題と
なる」
【略歴】イリノイ大軍備管理・国際政治研究所所長、国務省政策
企画局(南アジア、安全保障、核不拡散問題担当)などを経て98
年から現職。インド、パキスタンの安全保障に関する著作多数。6
7歳。(共同)
(了) 020601 1712
[2002-06-01-17:12]