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【転載】アムネスティ発表:パレスチナ人大量逮捕について 投稿者 長兵衛 日時 2002 年 6 月 02 日 08:58:48:

http://www.incl.ne.jp/ktrs/aijapan/2002/020505.htm

アムネスティ国際ニュース発表(2002年5月23日解禁)

アムネスティ日本
info@amnesty.or.jp
http://www.amnesty.or.jp/
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イスラエル/占領地域:パレスチナ人大量逮捕に調査委員会設置を
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MDE 15/024/2002

「みんな手錠をかけられ石だらけの地べたに座らされた。食べ物ももらえず、水がほしいといったら、頭からぶっかけられた。手錠はものすごくきつくしめられていた。目隠しをとられたとき、何人かの手が赤黒く腫れ上がっているのが見えた。」マジディ・シェハデ。2002年3月8日に逮捕された。

「8500人以上のパレスチナ人たちが2月27日から5月20日までの間に逮捕され、その多くは恣意的に拘禁された。こうした逮捕や拘禁は、その際、拷問や残虐かつ非人道的ないしは品位を傷つける取り扱いがおこなわれるのが常である。」アムネスティは本日発表した報告書「残虐かつ非人道的ないしは品位を傷つける状況下での大量拘禁」の中でそのように語った。当報告書は、被拘禁者たちがいかに屈辱的に扱われ、起訴も裁判もなく、家族や弁護人とも連絡をとれないままに何日間も拘禁されたか、ということを記述している。

「アムネスティは、イスラエル当局に調査委員会を設置し、被拘禁者たちに対するこうした虐待に責任ある者たちを裁判にかけるよう、要請する。」2月から3月にかけて逮捕された2500人の被拘禁者たちは、ほとんどが一週間のうちに釈放された。しかし3月29日以降の「守りの盾」作戦中に逮捕された6000人あまりの人びとは長期の隔離拘禁下に置かれた。2002年4月5日に発令された軍事命令(軍事命令1500号)は弁護人や裁判官、家族らとの接見のないまま逮捕時より18日間、隔離拘禁が許されると規定している。また、その後、軍裁判官の判断により90日まで外部との接見禁止を延長できる。

「軍事命令は国際的基準に違反しており、ただちに廃止されなければならない。」アムネスティはそのように付け加えた。

15歳から45歳までの男性は、イスラエル国防軍に自分たちの居場所を知らせるよう、拡声器でアナウンスされた。逮捕から最初の24時間は、ほとんどの被拘禁者たちは目隠しをされ、プラスチック製の手錠をきつくしめられ、しゃがまされたり、すわらされたり、ひざをつかされたりして、トイレに行くことさえ許されず、食べ物も与えられず、毛布も無いままに24時間を過ごさせられた。

「このような無差別かつ恣意的な逮捕によって、連れ去られた人びとの残された家族たちは、夜間外出禁止令が出ている中、不安の中で過ごした。連れ去られた人びとが生きているのか死んでいるのかさえわからないままだったのである。」アムネスティはそのように強調した。

マジディ・シェハデは、トルカレム難民キャンプでイスラエル国防軍に2002年3月初旬に逮捕された600人にのぼるパレスチナ人たちの一人である。彼は3月8日に逮捕され、上半身を裸にされた上で一時間放置され、イスラエルに移されてから翌日に起訴されないまま釈放された。アムネスティは彼から3月20日に聞き取り調査をおこなったが、彼が受けた虐待の様子は、アムネスティがおこなった他の被拘禁者たちに対する聞き取りとも共通している。

ジャマル・イッサは、3月8日に逮捕され、6日後に釈放された。起訴もなければ取り調べすらされなかった。逮捕されてからの最初の24時間について、彼は次のように述べている。
「われわれは地方調整事務所で夜を明かした。60人ほどが手錠をされ、目隠しをされていた。テロリストとして取り扱われてひどい仕打ちを受けた。トイレに行かせてくれと頼んだが拒否された。」

守りの盾作戦の最中の3月29日、6000人以上のパレスチナ人たちが逮捕された。被拘禁者たちは下着以外の衣服を脱がされ、下着だけで何時間、ときには数日間を過ごさせられた。ジェニンから釈放された被拘禁者らに対して、アムネスティはルマネ村で聞き取り調査をおこなった。彼らから得た情報も、イスラエル国防軍がどのように被拘禁者たちを扱ったか、ほぼ一致している。彼らは下着だけにされ、手は後ろに回されてプラスチックの手錠をかけられ、目隠しをされ、そのまま10時間拘禁されていたという。

行政拘禁の制度の利用も激増している。2002年5月、イスラエル国防軍と法務長官は、2001年11月には32人だった行政拘禁下にある人の数が、450人から990人にのぼっているという数字を発表した。4月初めから拘禁されている人びとの多くは6か月までの行政拘禁命令を受けている。行政拘禁は、起訴も裁判もないままに人の身体の自由を奪う手続である。この拘禁命令は無制限に更新が可能である。

アブダル・サラムァドワン、39歳。看護士で5人の子どもの父親だった彼は2002年3月7日に彼が勤務していたエルサレムのマカセド病院で逮捕され、アシュケロンのシクマ監獄に移された。彼の弁護人は、ようやく3月24日に彼との接見を許されたが、監獄に着くと接見を拒否され、26日には、アブダル・サラムァドワンには、10日間の接見禁止令が出ているといわれた。その期間が過ぎてからも、新たに5日間の接見禁止令が出された。アムネスティや他の人権団体が働きかけた結果、ようやく34日目になって、隔離拘禁下にあった彼と弁護人との接見が実現した。5月13日で、彼が行政拘禁により拘禁されていた期間は6ヵ月になった。

アムネスティは、イスラエル政府に対し、1968年の調査委員会法にもとづき、独立した調査委員会を設置するよう要請する。同委員会は、2002年2月以降に逮捕されたパレスチナ人の拘禁にともなう、恣意的な逮捕、残虐かつ非人道的ないし品位を傷つける取り扱いについて調査をおこなうものとする。同委員会は適切かつ効果的、また独立した調査をおこなうため、国際基準に準拠するものであるべきである。

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