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1年前より世界は危険になり、近い将来、テロリストによる核兵器の使用や、西側とイスラム諸国との大規模戦争もあり得る――。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学リュー世界問題研究センターに朝日新聞社が協力して11カ国で実施した意識調査で、多くの人がこんな不安を抱いていることが分かった。昨年9月の米同時多発テロを機に、国際社会や日常生活への脅威が増したとの認識が広がっていることをうかがわせる。同時に核兵器の全面禁止や制限を求める声が、ほとんどの国で圧倒的多数を占めた。
調査は日本、韓国、米国、カナダ、英国、ドイツ、フランスの各全域とロシア、インド、ブラジル、南アフリカの都市部で、2〜3月に世論調査機関イプソス・リードを通じて実施。6036人から回答を得た。
世界が「より危険になった」と答えたのは、全体で67%。日本とブラジルが約9割と特に多かった。ただ、最も心配な危険や脅威を聞くと、日本と韓国は「災害」がトップで、他の国々では「犯罪や暴力」が一番多かった。テロや戦争より、日常生活に降りかかる脅威に人々が切迫感を抱いていることが分かる。
一方、五つの「脅威」を挙げて今後10年間に起こり得る程度を聞いたところ、地球温暖化など環境問題被害が「必ず起きる」「多分起きる」と答えた人が全体で71%(日本は85%)。西側諸国とイスラム圏との大規模戦争を挙げた人は64%(同55%)、テロリストによる核爆弾や大量破壊兵器の使用も61%(同70%)を占めた。
敵側から発射されたミサイルを撃ち落とす米国のミサイル防衛(MD)計画について「世界はより危険になる」という批判的な意見が8カ国で半数を超えた。「より安全になる」が半数を超えたのは米国(64%)だけだった。
調査では、核兵器の規制や管理をめぐる考えも聞いた。「すべての国家は、あらゆる核兵器を禁止する条約に署名すべきだ」という意見に「強く同意」「いくらか同意」と答えた人は全体で86%にのぼり、トップは日本の97%だった。包括的核実験禁止条約や核兵器の先制不使用も、ほとんどの国で支持する声が8〜9割にのぼった。
ブッシュ米政権はテロ国家・組織の地下施設への核先制使用を検討中とされるが、その米国でも4人に3人が核兵器の全面禁止や先制不使用を支持しており、政権と国民の意識に落差があることが浮き彫りになった。
21世紀中に核兵器が「非合法化される」と考えている人は、全体で55%だった。(00:38)