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(回答先: フェンス現場近くで銃撃戦〔産経新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 6 月 19 日 23:21:24)
【エルサレム19日=当間敏雄】
イスラエル首相府は19日未明、エルサレムでの自爆テロ(18日発生)への対抗措置として、新たに侵攻したパレスチナ自治区の一部を「占領」するとの声明を発表した。声明は「テロが続く限り」占領を続けると宣言し、新たなテロが発生すれば「別の地域も占領する」と警告。「再占領の意図はない」としてきたこれまでの政策を急転換させた。
イスラエルの新方針はパレスチナ自治政府と自治区発足の基盤となった1993年のオスロ合意の事実上の無効化につながるもの。同国政府筋は「オスロ以前への回帰を意味する」と指摘。一方、自治政府は「再占領の決定は、あらゆる種類の抵抗を正当化する」(アブドルラフマン内閣官房長官)と猛反発した。
イスラエル軍は18日夜から19日未明にかけ、ヨルダン川西岸のジェニンのほか、ナブルス、カルキリヤに侵攻。ジェニンでは移動式住宅が運び込まれ長期駐留に備えているという。
イスラエルは3月29日から西岸自治区の大半に侵攻して「テロ根絶」を目的とした大規模な作戦「守りの壁」を決行したが、米国など国際社会の強い圧力を受けて5月10日までに順次撤退。その後は、侵攻しては短期間で撤収する動きを繰り返してきた。「再占領」が民生部門を含む軍政の復活を意味するか、などは明らかではないが、今回の占領期間は、約1か月半に及んだ前回の西岸占領より長期化する可能性も指摘されている。軍内部では西岸とイスラエル領を分離するフェンスが完成するまでとどまるべきだとの議論が出ている。
米国は「パレスチナ暫定国家」樹立を軸とした中東和平新方針を発表する見通しだが、「再占領」はこれに逆行するもの。シャロン首相には現状での「暫定国家」は「テロに報奨を与えるだけ」との思いが強い上、自治区領域が他国の「領土」としての国際法上の地位を得た場合、イスラエル軍は自由にテロ抑止の侵攻作戦を実施できなくなる、との懸念もある。
首相は18日、テロ現場で、「どんなパレスチナ国家のことを議論しているのかわからない」と言い放った。これは、暫定国家樹立をうんぬんするブッシュ政権に異議を申し立てるメッセージだった模様だ。
(6月20日00:16)