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【ロンドン9日=渡辺覚】英国際戦略問題研究所(IISS)は9日、世界情勢を分析したリポート「戦略概観2001―2002」を発表した。
戦略概観は、昨年9月の米同時テロに最大の焦点を当て、「同時テロは、アル・カーイダなど国家以外の組織が、大量殺りくに結びつく武器を使用する意思を有していることを明確にした」と指摘。国際テロの台頭と大量破壊兵器への懸念に対処する上で、「超大国」の地位にある米国に、従来以上の包括的な関与が求められると分析した。
その上で、ブッシュ米政権が「対アフガニスタン作戦で、空爆後の平和維持活動や新国家樹立に指導力を発揮しなかった」との事実を問題視。米国の「戦略上の怠慢」が、パレスチナ情勢などでも混乱を長引かせる一因になっていると批判した。
また米国がイラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と表現したことに対しては、同盟国間に「結束よりも懸念」をもたらしたと分析。これらの諸国の国際社会への取り込みを図る努力を続けるべきだと指摘した。
さらに米国による対イラク軍事作戦については、「(同盟国間の)外交支援にきしみをもたらすだろう」と指摘し、ロシアと中国の賛意も得られないと予測。軍事作戦に踏み切った場合でも、「兵力の抵抗はアフガンでの経験をはるかに上回る」と分析し、軍事作戦だけでフセイン政権を打倒して民主的な新政権を樹立することは不可能だとの見解を示した。
(5月10日00:32)