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【エルサレム9日=平野真一】イスラエル政府は9日未明、訪米を切り上げて帰国したシャロン首相の主宰で緊急治安閣議を開き、7日に同国西部リション・レツィオンで起きたパレスチナ過激派による自爆テロに対する報復の実施を決定した。
政府声明は、首相とベンエリエザー国防相に「テロリストの標的に対する作戦」の方法を一任するとしているが、イスラエル軍は8日深夜からパレスチナ自治区ガザの周辺に集結しており、ガザ侵攻の可能性が強まっている。
ガザは犯行声明を出したイスラム原理主義組織ハマスの拠点。ラビン・ペロソフ国防副大臣は8日、自爆犯はガザ出身と述べていた。
ただ、イスラエル紙ハアレツ(電子版)は閣議前、複数の政府筋の話として、首相は「厳しい」軍事報復を提案しないと報じており、ガザに侵攻したとしてもハマスの拠点つぶしなど限定的なもので、ヨルダン川西岸への侵攻ほど大規模なものにはならないとの見方も出ている。同紙は、首相がその代わり、ブッシュ米大統領の同意の下、パレスチナ自治政府に対する機構改革要求を通じてアラファト自治政府議長を実権のない象徴的元首の立場に祭り上げる考えだと報じた。
また、政府高官によると、閣議では閣僚の1人が議長追放を主張したものの、採決には至らなかったという。こうしたことから、首相はテロには断固たる措置を取りつつも、米国による中東和平国際会議提唱などで高まった和平機運を自らつぶしたとの国際社会の批判を慎重に避ける狙いと見られる。
一方、アラファト議長は8日、西岸ラマッラでモラティノス欧州連合(EU)特使と会談した際、パレスチナ治安当局がガザでハマス活動家14人をテロ事件関与の疑いで逮捕したことを明らかにした。
議長は同日、テレビ演説で「治安当局にイスラエル民間人に対するテロの防止を命じた」と述べ、初めてテロ抑止への具体的取り組みを見せ、マムドーフ・ノファル議長顧問によれば、議長はハマス幹部逮捕も検討しているという。
一方、西岸ベツレヘムのキリスト教聖地「聖誕教会」に対する同軍の包囲解除問題では9日未明、イスラエル・パレスチナ自治政府間の交渉が進み、国外追放先の見つからない「最重要テロ容疑者」13人を除く民間人ら約110人を先に解放する方向で、大詰めの調整が続いている。(読売新聞)
[5月9日13時28分更新]