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昨年九月一一日の米テロ事件の発生と米国の外圧を口実として、政府・与党は、米軍支援のためのテロ特別措置法の制定や自衛隊法・海上保安庁法「改正」、PKO法「改正」等、憲法の理念に挑戦する悪法を野党第一党の「閣外協力」を得ながら実現し、二〇〇二年の通常国会には有事法制の整備をも視野に入れる中、テロ特別措置法に基づいて、すでに自衛隊がアフガニスタンへ出兵し、平和憲法を持つ日本は、とうとう小泉政権下、戦争行動拡大への第一歩を踏み出してしまいました。
このブックレットは、ちょうどテロ特別措置法の衆議院委員会通過という時期に基地の町朝霞で活動する市民の集会で行われた、社民党衆議院議員でテロ対策特別委員会の今川正美さんの講演を加筆・修正したものです。戦後最悪の戦争法案にもかかわらず、今川さんが報告するように「国会はすっかり戦争気分」で、まともな意見は省みられない有様だったといいます。しかし、法律はできたけれども、それを世論の力で金縛りにし、封じ込めてしまうことが重要です。いますぐ勝てなくても、やめない、あきらめない、負けない運動が大事なのです。大小にかかわらず、紛争の軍事解決や日本の戦争参加に反対する運動を創り、その力で世論を喚起していくことができれば状況は動くし、変わります。火種さえあれば、いざというときそこから燃え上がるのです。今川さんの言うとおり、「へこたれ」てはいられません。武力でテロは根絶できないし、紛争解決にもなりません。戦争によって世界に平和をもたらすことはできないのです。わたしたちは武力・軍事力に頼らないでやっていける世界と日本のあり方を求めて、もうひとつの別の流れを現実に創造していくべきときにきています。
小さな小冊子ですが、法案審議の国会状況だけでなく、アメリカ・ブッシュ政権と米軍需産業の本音や、国益確保に資する国際舞台での発言力・影響力を築くために無理を押し、危険を承知で自衛隊を海外に出し、やがては日本として戦闘・戦争行動をやれるようにしなければならないという小泉政権の思惑もはっきり指摘されています。佐世保反基地闘争を活動の原点に持つ今川さんの国際平和のためのオルタナティブの提案もわたしたちに一つの展望を指し示しているように思います。どんなに状況が厳しくとも火種だけは絶対に絶やすまい、そう思って活動している全国のみなさんに贈られるべき、平和運動に勇気を与える活動家必読の書です。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20020505k0000m040131000c.html