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【エルサレム森忠彦】ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムにある聖誕教会で続くパレスチナ武装勢力などによる立てこもり事件は発生から1カ月が過ぎ、こう着状態に陥っている。パレスチナとイスラエルとの間で続く交渉は難航し、4日午前には教会から出てきたパレスチナ人1人が包囲するイスラエル兵士に狙撃され、死亡した。教会周辺には外出禁止令が敷かれたままで、イスラエルの軍事作戦が一段落した中、キリスト教徒の聖地だけが置き去りになっている状態だ。
キリストの生地として知られる聖誕教会では、4月2日から武装勢力とパレスチナ住民や教会を守るため加わった修道女ら約200人が立てこもっている。パレスチナ側と軍はナセル・ベツレヘム市長を立ち会いに4月23日以来、断続的に解放交渉を続けているが、3日までの交渉は平行線。パレスチナ側が武装勢力のガザ移送を提案しているのに対し、イスラエル側は全員の投降を前提に(1)イスラエルでの裁判(2)外国への亡命ーを提示しているという。これまでに断続的に解放や投降が進んだが、依然、中には計170人以上がいるとみられる。
これまでの交渉で、軍もパレスチナの救助団体が食料や水を搬入することは認めているが、銃撃戦が頻発していることもあり、最近は軍も搬入を厳しく制限し始めた。教会内に入った人の証言では慢性的な食料不足で、「残り少ない雨水を飲み、草を食べている状態」だという。
アラファト・パレスチナ自治政府議長は3日、「軍は3大宗教の聖地に攻撃をしている」とイスラエル側を批判したが、教会内の武装勢力への説得には熱心な様子がうかがえない。ナセル市長は「2日から米英の仲介が始まった」と淡い希望を示している。
[毎日新聞5月4日] ( 2002-05-04-20:48 )