★阿修羅♪ ★阿修羅♪ |
|
【ラマラ(ヨルダン川西岸パレスチナ自治区)森忠彦】
イスラエル軍は2日未明(日本時間2日朝)、3月末から軍事侵攻を続けていたヨルダン川西岸ラマラのパレスチナ自治政府議長府から撤退し、監禁状態にあったアラファト自治政府議長が34日ぶりに解放された。だが、シャロン・イスラエル首相は今後も自治区への短期侵攻を継続すると表明した。一方、同日、パレスチナ武装勢力による立てこもり事件が続いている西岸ベツレヘムの聖誕教会で激しい銃撃戦が発生、一時火の手が上がるなど衝突収拾にはほど遠い状態だ。
議長がゼエビ・イスラエル観光相暗殺事件(昨年10月)の実行犯4人を含む6人のパレスチナ人容疑者を米英監視の下で自治区エリコの刑務所に収監することに同意したことを受け、1日深夜、6人が同刑務所に移送され、議長府一帯を包囲していたイスラエル軍の戦車が撤退を開始。撤退完了後、アラファト議長は一緒に議長府内にこもっていた側近、議長支援の平和活動家など約300人とともに解放された。
議長は解放直後、詰めかけた数百人の市民から祝福を受けた。だが、キリストの生誕地とされる聖誕教会での銃撃戦で教会内の3部屋から出火、消火の際、4人がやけどを負うなどしたため、「イスラエルこそテロリストであり、ナチス、人種差別主義者だ。彼らは聖地に対し犯罪的な暴力を行った。世界はこれを黙認できようのか」と厳しく批判した。この後、議長は車列を組みラマラ市内を巡回、イスラエル軍による侵攻の被害状況を視察した。
イスラエルのベンエリエゼル国防相は「これで我々の軍事行動は終わった。これからは政治交渉に移る」と語ったが、シャロン首相は「議長が外国に出ても、テロが止まらない場合は自治区に戻れる保証はない」と帰還阻止の可能性に言及するなど強硬策を堅持しており、実際、2日未明には西岸トゥルカルムに再侵攻した。