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【エルサレム海保真人】
アラファト・パレスチナ自治政府議長が約1カ月ぶりに監禁から解放されたことを受け、一昨年9月以来続くイスラエル・パレスチナ衝突の行方は、双方の首脳の今後の策と思惑が焦点になってきた。来週、訪米しブッシュ米大統領と会談するシャロン・イスラエル首相はヨルダン川西岸全域をイスラエル領と隔絶する「緩衝地帯」の創設を含む「新和平案」を提示すると言明しており、双方の対立はさらに先鋭化しそうな様相だ。
シャロン首相は1日、米ABCテレビに、ブッシュ大統領との会談で「中東和平を達成するための非常に深刻な計画を提示する」と述べた。だが、その内容はパレスチナ領からイスラエル領へのテロリストの侵入を防ぐための「緩衝地帯」の創設であり、全パレスチナ人に対する軍の検問をいっそう厳しくすることを強調した。
シャロン首相が提示した緩衝地帯構想によると、自治区との境界に沿ってフェンスや溝を設置し、イスラエル兵をパトロールさせる。双方を行き来する道路に検問所を設け、爆弾や銃器などをチェックする機器や車の侵入を防ぐ障害物を置くという。首相は「イスラエルにばく大な費用を負担する余裕はなく、我々は資金の問題を議題にしなければならない」とブッシュ米大統領に設置資金の援助を申し出ることを明らかにした。
一方、アラファト議長の側近筋によれば、議長は今後、大勢のパレスチナ人が死亡したジェニン難民キャンプやナブルスをも訪問する計画があるといい、当面は外国行きを控えるとみられる。
議長は同日、治安当局員の集会にも出席する予定で、まずは荒廃した自治政府関連の施設の復興と、全体で約5万人のメンバーを抱える警察、警備隊など治安当局の立て直しを図るとみられる。また、ラボ文化情報相によれば、早急に閣僚ら指導部を集めた会議を開催、シャロン政権による封鎖措置への対応策を協議するという。