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政府は、NGO(非政府組織)やボランティア、公務員らによる国際協力活動を支援するため、官民共同の「国際平和協力支援センター」(仮称)を設立する方針を固めた。国連平和維持活動(PKO)とは別に、非軍事分野で民間との連携を深めるねらいがある。小泉首相が同日のシドニー演説で日本外交の新機軸として強調した「平和の定着と国づくり」の中心を担うことになる。月内にもセンターのあり方を具体的に検討する懇談会を発足させ、座長に元国連事務次長の明石康氏をあてる予定だ。
支援センターは、日本のNGOや政府機関がアフガニスタンや東ティモールの復興・国づくりに関与した経験を踏まえ、ノウハウを官民で共有し、平和構築の分野で専門家や活動家を養成する機能を担う。年内を目標に、懇談会で施設や運営方法などの具体策をまとめる計画で、運営を民間主体とすることも検討されそうだ。
アフガンの地雷除去や政府再建など、従来の政府の途上国援助(ODA)では対応できない問題が増えていることから、米同時テロ後の日本外交の柱として政府内で検討が進められてきた。
小泉首相もシドニー演説で、「世界の地域紛争に対し国際社会が行う平和維持活動では、平和の定着、その国の基礎的システムの構築を目指す形態の支援が広く行われている」として、日本が得意とする非軍事的貢献の役割が高まっているとの認識を示したうえで、「我が国は『平和の定着及び国づくり』のための協力を強化し、国際協力の柱とする」と表明した。
政府の構想では、「平和の定着」、つまり紛争で荒廃した国家の短期的な復興支援策として、(1)地雷除去(2)道路や上下水道などの応急復旧(3)元兵士、難民の帰還・定住支援(4)選挙組織の立ち上げから支援−−などを想定し、センターを拠点に態勢づくりや人材育成に取り組む。選挙については、従来型の監視・管理だけでなく、システムづくりの支援もできるようにする。
「国づくり」、つまり長期的な問題に対しては、行政や警察・司法制度などをバックアップする方針だ。
センターには、教育研究・訓練機能のほか、情報提供を一元化する機能も持たせ、一般市民やNGO活動家、地方・国家公務員らに広く門戸を開く方向だ。自衛隊員は含まない見通し。ODAなどの予算を一部転用して運営費にあてたり、国内の研究機関や大学と連携したりするアイデアもあがっている。(07:52)