イスラエル放送によると、イスラエルの治安当局筋は１日、ヨルダン川西岸のラマラにあるパレスチナ自治政府議長府の周辺からイスラエル軍部隊を同日夜（日本時間２日未明）にも撤退させ、議長府内で監禁下にある自治政府のアラファト議長を解放する、と言明した。
　アラファト議長は同日午後、イスラエル側が「テロ容疑者」とする６人の西岸エリコの刑務所への収監について、仲介役の米、英両国の当局者と最終的な協議を行った。自治政府高官によると、議長は協議の中で、６人のうちパレスチナ解放人民戦線（ＰＦＬＰ）のサアダト議長ら２人については収監を拒否しており、アラファト議長の監禁が同日中に解かれるかどうかは微妙だ。

　イスラエル側は６人の刑務所への収監を議長の監禁解除の条件としており、自治政府のアリカット地方行政相は同日、自治政府と仲介役の米、英両国の当局者が同日未明までの協議で原則的に合意したことを確認していた。

　米ＣＮＮテレビなどによると、イスラエル軍の戦車の一部が同日午後（日本時間同日夜）、議長府周辺から移動するのが目撃されたが、議長府内の自治政府幹部らは軍の撤退は始まっていないとしている。

　イスラエル放送によると、エリコの刑務所で６人の監視に当たる英国の看守らが１日朝、イスラエルに到着した。

　ラマラの中心部では同日午前、労働組合主催によるメーデーの記念集会が開かれた。出席者からは「アラファト議長こそパレスチナ人の唯一の指導者だ」などと、議長を支持する発言が相次いだ。（共同）

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