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【エルサレム森忠彦】イスラエル治安当局筋は1日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラのパレスチナ自治政府議長府を包囲していたイスラエル軍を同日夜(日本時間2日未明)撤退させ、アラファト議長の監禁を解除すると言明した。イスラエル放送が伝えた。パレスチナ自治政府のエラカト地方行政相もゼエビ・イスラエル観光相暗殺事件(昨年10月)などの容疑者6人全員をパレスチナ側の刑務所に収監することに同意したと語った。1カ月余に及んだ監禁解除が実現するのは確実な情勢となった。
治安当局筋によると、イスラエル軍は先月29日からラマラの議長府周辺に配置してきた戦車を完全撤退させる。イスラエルは今後、アラファト議長が自治区を離れても、帰還を妨害しないという。解除後、議長が一両日中に外国を訪問するとの情報もある。
軍撤退により、議長府に議長とともにこもっていた側近、治安当局者、議長支援の平和活動家など約400人も解放される。
アラファト議長ら自治政府側は6人の容疑者のうち、暗殺事件に関与した容疑者以外の2人の収監について難色を示していた。このため、米英代表団は同日午後、アラファト議長と最後の詰めの協議を行い、本人の意向を確認する予定だ。
シャロン・イスラエル政権は自爆テロなど過激派活動を抑えられないアラファト議長を非難し、昨年12月から軟禁状態に置いた。さらに、過激派掃討を目的に3月29日から開始した西岸自治区への軍侵攻に伴い、監禁状態に強化した。しかし、アラブ諸国や欧州連合(EU)などが議長を支援、イスラエル寄りだった米国も議長の解放へと動いた。
シャロン政権は監禁解除の条件としてパレスチナ人容疑者6人の引き渡しを要求、議長は拒否し続けたが、ブッシュ米大統領が27日に米英の監視下で容疑者をパレスチナ側の刑務所に収監する仲介案を提案、打開がもたらされた。
[毎日新聞5月1日] ( 2002-05-01-22:27