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イスラエルのシャロン政権は28日、ブッシュ米大統領の提案を受け入れて、パレスチナ自治区ラマラでのアラファト自治政府議長の監禁解除に同意した。提案はイスラエルが監禁解除の条件として議長に引き渡しを求めていたゼービ観光相暗殺犯人ら6人を「米英の監視の下で自治政府の刑務所に収監する」というもの。アラファト議長も提案を受け入れた。イスラエル軍は数日中にも議長府から撤退し監禁を解除すると見られ、3月29日の大侵攻以来続く議長の監禁は1カ月ぶりに解決する見通しとなった。
今回の打開を受けて、シャロン首相は5月上旬に米国を訪問し、ブッシュ大統領と会談する予定。一方、イスラエルが受け入れに条件をつけている国連ジェニン調査団については、ブッシュ提案受諾と引き換えに米国がイスラエルの主張を支持することを約束したとされ、派遣問題はさらに波乱が予想される。
イスラエルが引き渡しを求めていたのは、昨年10月にゼービ観光相を暗殺したパレスチナ解放人民戦線(PFLP)のサダト議長と実行犯4人、さらに今年1月にイスラエルが拿捕(だほ)した武器密輸船の首謀者でパレスチナ警察のショーバキ財政責任者の計6人。全員、議長府内に拘束されている。
自治政府筋によると、アラファト議長は29日午後、議長府で米英政府関係者と収監問題で協議した。6人はヨルダン川西岸エリコ自治区の刑務所に収監される。議長はパレスチナ人200人が立てこもるベツレヘムの聖誕教会の包囲もあわせて解決することを求めているという。
29日付の現地各紙によると、シャロン首相が28日の閣議でブッシュ提案を伝えると「引き渡しを断念」に対し閣僚から強い反発が出た。首相は閣議を中断して米大統領に相談の電話をしたが、ブッシュ氏からは逆に受け入れを強く求められたという。
シャロン首相はブッシュ氏から国連調査団問題でイスラエルの主張を米国が支持するという約束を得て、閣議を再開。首相は「イスラエルの友人であり、国連調査団問題で我々の側に立っている米大統領の訴えは受け入れねばならない」と訴えた。昨春の政権発足以来、強硬姿勢をとってきたシャロン氏にとって初めての決定的な妥協だ。
自治政府筋は、ブッシュ大統領提案について、訪米したサウジアラビアのアブドラ皇太子が「アラブ諸国の総意」として同大統領に強く要請した結果と解説した。
パレスチナ側にはシャロン首相の提案受け入れを「勝利」と受け取る空気が強い。しかし、今後、アラファト議長に米国や親米アラブ諸国から過激派対策実施に強い圧力がかかることは確実だ。議長にとっては「テロ対策」が試される最後の機会となるだろう。(22:57)