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【エルサレム29日=平野真一】
パレスチナ自治政府のアラファト議長は28日、イスラエル側がヨルダン川西岸ラマッラの議長府包囲解除の条件として求めていたテロ重要容疑者6人の引き渡しを取り下げ、パレスチナ側で服役させるとのブッシュ米大統領の提案を受諾した。
アブルデイナ議長顧問が同夜、明らかにした。イスラエルに続いてパレスチナ側も米案受諾を決めたことで、先月29日のイスラエル軍による西岸侵攻以来続いていた議長府包囲が近く解除され、監禁状態に置かれていた議長が自由の身になる見込みとなった。
米案は、議長府内にいるゼエビ・イスラエル観光相暗殺事件(昨年10月)の容疑者4人や、武器密輸事件(今年1月)の首謀者ら計6人を、米英両国要員の監視下でパレスチナの刑務所で服役させるというもの。
議長は同日、議長府を訪れた米英両総領事館当局者から米案の説明を受けた後、受諾を決めた。
イスラエル政府スポークスマンは同夜、「提案が履行されれば、アラファトは自由に移動できるようになる」と述べ、パレスチナ側が容疑者の裁判・投獄を行えば、直ちに議長府包囲を解除する考えを明らかにした。
6人のうち観光相暗殺事件の容疑者4人については、パレスチナ側が25日、議長府内で即席軍事裁判を行い、重労働18年から懲役1年の実刑判決を言い渡した。このため今後裁判が必要なのは、暗殺事件の指導責任をイスラエル側から問われている「パレスチナ解放人民戦線(PFLP)」のアハマド・サアダト議長と、武器密輸事件首謀者とされる自治警察財政担当者フアド・ショバキ氏の2人となる。
ただ、議長の米案受諾は、パレスチナ内部から「監禁を解除して欲しさに同胞を犠牲にするもの」との批判を浴びる恐れがある。PFLPスポークスマンのターヘル・マーヘル氏は同夜、ダマスカスで「議長は米案を拒否すべきだ」と批判した。さらに、イスラエル側からも重刑を求められる可能性があり、すんなり議長府包囲解除に向かうかは予断を許さない。
(4月29日10:52)