【モスクワ田中洋之】
ロシア・シベリアのクラスノヤルスク州知事で、かつて有力な大統領候補だったアレクサンドル・レベジ氏(52)が28日、同州内で起きたヘリコプターの墜落事故で死亡した。
露非常事態省によると、レベジ知事ら計16人が乗ったMi8型ヘリは州都クラスノヤルスクを出発し、同州南部エルマコボ地区に着陸する際、電線に接触し墜落した。悪天候による視界不良が原因という。これまでに6人の死亡が確認された。レベジ知事らは州南部に開設されたスキー場の視察に向かう途中だった。
元軍人のレベジ氏はソ連崩壊直前の91年8月のクーデター未遂事件で、空てい部隊を率いて民主派が立てこもる最高会議ビルを防衛し、国民の人気を集めた。下院議員を経て96年の大統領選で3位に入り、エリツィン大統領(当時)から安全保障会議書記に任命されたが、政権内部の対立でまもなく解任された。
98年にクラスノヤルスク州知事に当選。大統領ポストに意欲を見せていたが政治力は次第に衰え、00年の大統領選ではプーチン氏(現大統領)優勢のなか立候補を見送った。
[毎日新聞4月28日] ( 2002-04-28-18:29 )