04/27 16:47 新パイプライン計画が始動 アフガン情勢安定化で 外経60
【モスクワ27日共同】アフガニスタン情勢の安定化を受け、タ
リバン政権時代に頓挫した同国経由の天然ガスパイプライン建設計
画が、実現へ向け再び動き始めた。アフガン、トルクメニスタン、
パキスタンの三カ国首脳が五月上旬にトルクメニスタンの首都アシ
ガバートで会談、事業復活へ本格的な協議を開始する。
完成すれば周辺のエネルギー供給地図を塗り替えることになるが
、隣接の大国ロシアやイランにとっては経済的損失となりかねず、
海外資本を再び呼び込めるかも不透明。実現にはなお曲折がありそ
うだ。
天然ガス埋蔵量世界四位のトルクメニスタンからアフガン南部カ
ンダハルを経由、パキスタンのムルタンに抜けるパイプライン計画
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>は、米国の石油資本などが推進していたが、タリバンと米国との関
係悪化で一九九八年に中止された。
新パイプラインは全長千四百六十キロ。年間で最大二百億立方メ
ートルのガス輸送が可能で、総工費二十億ドル(約二千六百億円)
。インドへの延長構想もある。
天然ガスで国内総生産(GDP)の半分を稼ぎだすトルクメニス
タンの現在の主力輸出ラインはロシア経由。このため対ロ関係が国
内経済を大きく左右する結果になっており、インド洋方面への新ル
ート開拓は悲願とされる。
カルザイ議長(首相)率いるアフガン暫定政権は、パイプライン
通過料などで巨額の安定収入を見込んでいる。経済復興の象徴とし
て何としても実現にこぎ着けたい事業だ。
パキスタンも、かつてのタリバン支援の狙いの一つはこのパイプ
ライン計画の実現だったといわれ、三カ国の利害は一致する。
しかし、ロシアのプーチン大統領は今年一月、トルクメニスタン
に「ガス生産国同盟」結成を提案するなど、さまざまな手でつなぎ
留めを図ろうとしており、新計画をめぐる関係国の綱引きが活発化
している。
(了) 020427 1647
[2002-04-27-16:47]