(回答先: 「南マルク共和国」旗を掲揚 活動家10人を拘束へ 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 4 月 25 日 22:29:09)
04/26 16:39 宗教抗争の「明けない夜」 外国人入境禁止のマルク 外信61
共同
香料の産地として世界的に知られたインドネシア東部マルク(モ
ルッカ)諸島。ひときわ陽気な音楽と白く輝く海岸で知られるアン
ボン島が、船窓から見えてきた。しかし、雨に煙る岸壁に群がるの
は、自動小銃を肩に掛けた兵士たちだった。
数千人が死亡したキリスト教徒とイスラム教徒の抗争に加え、キ
リスト教徒による独立運動が二十五日に起きるとして外国人の立ち
入りが禁止され、夜間外出禁止令が布告されたアンボン島に二十四
日入り、政府の肝いりで二月に成立した宗教抗争の和平合意が空文
化した現実を見た。
港から記者が乗ったベチャ(輪タク)は、ホテルに向かう人けの
ない路地で停車した。「降りてくれ、先は行けない」。ベチャ運転
手はイスラム教徒。数十メートル先のキリスト教徒地区の方へ「お
ーい、そっちのベチャ、客だぞ」とこわばった声で叫ぶ。
メガワティ政権は和平合意の成果を宣伝しているが、実際には宗
教による住民の分断が続く。
夜、ホテル近くのキリスト教徒宅の電灯が消えた。ろうそくの明
かりの中で国家公務員マルセルさん(42)が「三日のうち丸一日
は停電だ」とつぶやく。「あす独立派が旗を揚げる。独立派はごく
少数なのに、これを口実に一般の人が撃たれるのでは」と不安げだ
。
水道局職員ロニさん(42)は「和平合意後も状況はよくなって
いない。四月三日には爆発とマルク州政府庁舎焼き打ちがあった。
和平を望まない連中が計画的にやったに違いない。おそらく軍人だ
」と声を潜める。
その後、入国管理官が記者のホテルの部屋を突然、訪れ「あすア
ンボンから退去させる。それまでホテルから出るな」と通告された
。
外出禁止となる午後十時、通りから車が消え、自警団らしい若者
がたむろする。
一夜明けた二十五日、キリスト教徒地区から風船十数個に付けた
独立旗「南マルク共和国国旗」が揚がった。これを機に何者かが発
砲し、爆弾が爆発、住民六人が重軽傷を負った。興奮した両教徒数
千人が街頭でにらみ合い、教会が放火された。
主婦ティティさん(45)は「怖くて外出できない。私はイスラ
ム教徒だけれど、独立したいという気持ちは分かる。政府に何も期
待できないのだから」と電話で語った。(アンボン共同=米元文秋
)
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61 04/26 16:38 マルク州独立運動とは 外信64
マルク州独立運動 インドネシア建国後の1950年4月、オラ
ンダ植民地下でキリスト教化が進んでいた東部のマルク州で「南マ
ルク共和国」が独立を宣言したが、国軍が鎮圧。独立派の一部はオ
ランダに逃れ、70年代に列車乗っ取り事件などを起こした。近年
、州都アンボンで「マルク主権戦線」が共和国国旗掲揚運動を始め
、海外在住独立派との関係が指摘されている。(アンボン共同)
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