紹介はしなかったが、先週号とはがらっと異なるベネズエラ政変劇の扱いである。
先週号「ニューズウイーク日本版 4・24」は、チャベス大統領復活が決まる前に書いていたものに、突然のチャベス大統領復活に大慌てで手を加えたというのがミエミエの記事である。
P.46から始まる「政変と米政権を結ぶ点と線」《ベネズエラ 失敗に終わったクーデターへのブッシュ政権高官の関与疑惑が浮上》というタイトルを掲げた記事からポイントのみを紹介する。
● クーデター劇の黒幕と噂される男
大物実業家のグスタボ・シスネロス氏で、TV局「ベネビジョン」を所有している。
かつてはチェベス大統領の有力な支援者だったが、現在は決別しており、昨年12月に反チャベス派の大同団結を促したという。
政変直前の4月11日夜、「ベネビジョン」の本社にクーデターの首謀者と言われている人物数人が集まっていた。そのなかには、暫定大統領に就任したベドロ・カルモナ氏の姿もあった。
本人は、「陰謀に関わっていないし、今後そうした企てにかかわることもない。そもそも陰謀を企てる方法もわからない」と述べている。
● 関与の可能性があるブッシュ政権高官
反チャベス派は、数ヶ月前からワシントンで米政府関係者と密かに接触していた。
昨年12月には軍最高幹部が訪米し、国防総省の中南米担当であるロヘリオ・パルドマウレル氏と会談している。
ブッシュ政権の中南米政策の中枢は、ベネズエラに精通している人たちが登用されている。
西半球担当国務次官補であるオット・ライク氏、国家安全保障会議の中南米担当であるジョン・マイストー氏は、ともにベネズエラ大使経験者である。
ライク氏は、クーデター騒ぎの最中にシスネロス氏と「2、3度」話をしたことを認めている。
また、エネルギー政策について助言を与えるなどブッシュ政権と関係が近いルイス・ジェスティ氏は、国営ベネズエラ石油公社のトップを務めたことがある。