欧州連合(EU)は23日、ソラナ上級代表(共通外交・安保担当)を中東に派遣し、パレスチナ自治政府のアラファト議長との会談をめざす方針を決めた。スペイン・バレンシアで同日閉幕したEU・環地中海諸国外相会議後の記者会見でEU議長国スペインのピケ外相が明らかにした。
イスラエルのペレス外相が、EUとアラファト議長との会談を認める考えを会議で示したのを受けたものだ。イスラエル政府は、先に中東を訪問したソラナ氏らEU代表団とアラファト議長との会談を拒否していた。
会議では、パレスチナ自治区からの完全撤退や和平交渉に消極的なイスラエル政府を批判する声がアラブ諸国から出た。ペレス外相は記者団に対して、自爆テロ根絶の必要性を強調するとともに、シャロン首相の醜い似顔絵を掲載した欧州の雑誌を示しながら「欧州に反ユダヤの動きが広がっている」と不快感を表明した。(23:47)