支持者は白人の中小企業主や労働者−。23日付のフランス各紙は世論調査などを通じ、フランス大統領選挙の第1回投票で極右、国民戦線(FN)のルペン党首に計約480万票を投じ、決選投票へと導いた支持層を分析した。
同党首は得票率16.86%で、同19.88%(約570万票)だった保守政党、共和国連合(RPR)のシラク大統領に次ぐ2位となった。
浮かび上がったのは、労働組合や行政の保護を十分に受けられず、移民の脅威を感じている「低所得の白人男性(プティ・ブラン)」。ドイツ、イタリアなどと国境を接するフランス東部、南部で得票率が20%を超え、くっきりと帯状の分布図を描いた。
男女別ではルペン氏への投票者の56%が男性。職業別では中小企業主の間で得票率31.9%、労働者で同26.1%と圧倒的な強さだった。これに対し長年、労働者の支持を集めた共産党の得票数は前回の約260万票から96万票に激減した。
リベラシオン紙は「誰が猛獣を解き放ったか」との記事で、「大企業や政府に軽視され、左翼などの移民に対する支援活動を見慣れた『白い弱者たち』の反逆だ」と解説した。(共同)