04/23 15:49 対立打開に向け初サミット カスピ海分割で沿岸5カ 外信53
【モスクワ23日共同】石油など天然資源の宝庫であるカスピ海
の分割問題を協議するため、沿岸五カ国による初の首脳会議が二十
三日から二日間の日程で、トルクメニスタンの首都アシガバートで
始まる。
カスピ海の法的地位をめぐっては、五カ国はこれまで次官レベル
の協議を続けてきたが、「海」と見なし各国による領海設定を主張
するロシアやカザフスタンなど旧ソ連四カ国と、「湖」として原則
的に共有を主張するイランとの利害の対立が解消できていない。
今回の会議で最終合意が得られる見通しはないが、首脳が初めて
対話のテーブルに着くことで、論争の早期決着に向けた各国の意思
を確認するのが最大の狙い。最終日には五カ国の新たな相互協力を
うたう宣言に調印する見込み。
これまでの交渉ではロシア、カザフスタン、アゼルバイジャンが
海岸線に応じて領海を設定する方針で一致。トルクメニスタンもこ
れにほぼ同調している。しかし海岸線が短く埋蔵資源も少ないイラ
ンは、海底の共有または20%ずつの均等配分を主張している。
自国の石油資本がカスピ海周辺に進出している米国も五カ国の協
議に間接的な影響を及ぼしている。
特に米中枢同時テロ後のブッシュ米政権のイランへの敵視政策を
背景に、イランの姿勢が変化するのかどうかも焦点。
卵がキャビアとして珍重され、激減しているチョウザメなど漁業
資源の保護策なども議題に上る見通し。
(了) 020423 1549
[2002-04-23-15:49]