(回答先: ルペン候補、仏大統領就任の場合はEU脱退提起へ[パリ22日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 23 日 11:00:04)
04/23 14:16 官僚支配に強まる不満 スーパーエリートの憂うつ 外信56
「エリートの敗北、中小商店主や農漁民の勝利だ」―。フランス
大統領選挙の決選投票へ進出を決めた二十一日夜、極右、国民戦線
(FN)のルペン党首は保守政党、共和国連合(RPR)のシラク
大統領、社会党のジョスパン首相を「お高く止まった、弱者の敵」
と、こき下ろした。
大統領、首相はともに国立行政学院(ENA)卒。ナチスからフ
ランス解放を果たしたドゴール元将軍(後に大統領)が「二度と祖
国を荒廃させないため、優秀な官僚を育成する」として、一九四五
年に創設したエリート官僚養成校だ。
毎年五十人余りの大卒者が十―二十倍以上の試験を経て入学。学
生には政府が月給約千三百〓(約十五万円)を支給し、「エナルク
」と呼ばれる卒業生には高級官僚の道が約束される。政界では保革
を問わず、過去二十年間に首相九人のうち六人を輩出、経済界でも
天下り組は「経済の核」として、厚遇を受ける。
☆ユーロ
エナルク支配は官庁、旧国営系企業、労働組合に広がり社会党が
長期政権を築く基盤となった。大統領選の投票日が学校春休みの最
中に当たり、「妻子とバカンスに出掛けた公務員らの低投票率が首
相の落選を招いた」とも指摘される。
少数精鋭主義で養成されるため卒業生同士のつながりは密接で一
種の「特権階級」を形成していると批判される。庶民の視点を欠い
たエリート特有の考え方「パンセ・ユニーク」(一元的思考)も論
争の的だ。従ってルペン党首の非難も一面で的を射ている。
フランス東部ストラスブールの中世運河プティット・フランスの
一角にあるENA本校。一人の男子学生(24)は「政界入りする
卒業生はわずか1%。必死に学んで、官僚として働いて、悪者扱い
されるいわれはないよ」と憤慨した。
選挙戦については「大学時代と違って、論争に熱くなるようなこ
とはない。僕は自分に政治論争を禁じている」。スマートに「官僚
的中立」を装った。
しばしば批判されるエリート・システムだが悪い面ばかりではな
い。ENAを見学に来ていた国立ストラスブール政経学院の大学生
ノラさん(23)は外交官志望。アルジェリアからの移民を父母に
、自身はフランスと二重国籍を持つ。
「倍率の高さに落ち込んだ」と言うが、「でもフランスのシステ
ムはいいわよ。わたしだって挑戦して、はい上がれる可能性がある
んだから」と校舎を見つめていた。(ストラスブール共同=信夫聡
)
(了) 020423 1416
[2002-04-23-14:16]