国連安保理事会が採択したヨルダン川西岸のジェニン難民キャンプへの調査団派遣について20日、「イスラエル軍の虐殺疑惑を解明せよ」とするパレスチナ自治区政府と、「難民キャンプをテロの拠点とした自治政府の責任が問題」とするイスラエル側で、思惑の違いが対立している。自治政府筋は国連調査団の派遣を歓迎し、調査団の作業は@がれきの下に埋まった遺体の捜査Aイスラエル軍が証拠隠滅のために運び出した遺体と、理葬地の捜査−−の2点を求めている。イスラエル軍は10日には武装勢力を制圧したが、その後1週間にわたって医療チームの立ち入りも禁止
するなど難民キャンプの完全封鎖を続けた。パレスチナ側は「虐殺」の証拠を消すために軍が遺体を集め、別のところに理葬したとの疑いを強めている。
キャンプ外への「遺体移送」疑惑の解明を求めるパレスチナ側は国連調査団の活動は難民キャンプに限らないとするが、イスラエル側は調査は難民キャンプに限定されるべきだという立場で、調査地域を巡っても双方に主張の違いがある。