外務省、ピースボートに北方領土渡航自粛を要請
外務省は19日、NGO(民間活動団体)の「ピースボート」に対し、北方四島への渡航自粛を求める書簡をロシア課長名で 送付した。同団体が同日、500人規模で国後島を訪問する計 画を発表したためだ。
計画によると、ピースボートはロシアのビザを取得して今年8 月にサハリンに入り、いったん出国手続きをした後に国後島を訪ねる予定。鈴木宗男・元北海道沖縄開発庁長官をめぐる入札疑惑の舞台となった宿泊施設も利用するとしている。
しかし、政府は1989年の閣議了解で、国民に北方四島への 渡航自粛を求めている。ロシア政府の入国手続きに従って北方四島を訪ねることは「ロシアの不法占拠を認めることになる」(外務省)からだ。ピースボート側は、いったんサハリンで出 国手続きをとるとしているが、ロシア課は「ロシア政府の管理に従って北方四島を訪ねることに変わりはない」としている。
ピースボートは辻元清美・元社民党衆院議員が83年に設立 した。
(4月19日23:30)
http://www.yomiuri.co.jp/01/20020419ia25.htm