[[米大統領、コロンビア革命軍対策への支援強化表明 【ワシントン19日=永田和男】ブッシュ米大統領は18日、ホワイトハウスでコロンビアのパストラナ大統領と会談し、現在は麻薬撲滅に目的を限定されているコロンビアへの軍事援助の規 制を緩和し、左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)に対する掃討作戦を後押しする方針を説明した。 ブッシュ大統領は会談後記者団に、「戦略の焦点を麻薬対策から、テロ対策も含めたものに転換するためだ」と語って、議会に対して軍事援助の制限緩和を認めるよう働きかけを強める考えを示した。 パストラナ大統領も記者団に、「米国とコロンビアは麻薬取引 と麻薬テロという共通の敵と戦っているのだ」と語り、麻薬の収 益がFARCのテロ活動に用いられている現状では米国が軍事援助の目的を制限する意味はないと主張した。 米国はFARCを「外国テロ組織」に指定している。ブッシュ大統領は先月中南米を歴訪した際にも、対テロ戦争遂行の観点 からFARC対策支援を強化する考えを表明していた。 (4月19日19:31)
http://www.yomiuri.co.jp/05/20020419i212.htm
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[[「テロに屈しない」は国際常識か? ペルーの「事件」にからんで、日本ではなんにんかの「危機管理」専門家だの「国際」ジャーナリストだのが、「テロには断固として屈しない」という姿勢が国際常識だとして、フジモリ氏の対応を弁護しています。しかし、そんな「常識」があるわけではないことを、つぎの記事が教えてくれます。コロンビアの例ですが参考になります。なお、FARC(コロンビア革命軍)はコロンビアのゲリラ組織で、1950年代から活動しており、おそらくラテンアメリカ最大の武装ゲリラです。
記事はボゴタのAgencia Informativa Pulsarのもので、ここではRebelionの5月27日号から訳します。
コロンビアのエルネスト・サンペル大統領は、9カ月以上にわたってゲリラに拘禁されている59名の兵士の解放を促進するため、カケタ地 区からの軍の撤収を指示した。軍の撤収のあと、FARCのゲリラたちと政府代表が、FARCの捕虜になっている59名の兵士の釈放につながる手続きを決める予定。サンペル大統領によれば、兵士たちの釈放は証人の列席のもとでなされ、手続きすべては国際赤十字が監視する。
兵士たちの引き渡しのゼロ・アワーは、5月23日に開始された。それはカケタ地区からの軍の撤収ではじまった。
6月1日までに、軍の撤収の検証が行なわれる。6月2日か3日には、政府とFARCの代表会談が持たれる。政府代表であるホセ・リオスによると、この会談において昨年8月にゲリラによって捕虜となった兵士たちの解放の条件が定められる。ホセ・リオスはまた、軍の撤収とともに、同地区で禁酒法と夜間外出禁止令が布告されるとも語った。
撤収はレモリノ・デ・カグアン地区で32日間にわたって行なわれる。この地区は麻薬取り引きのため、軍によって危険地域だとみなされている。FARCの最高指導者ルイス・サエンスは、テレビ番組「24時間」とのインタヴューにおいて、兵士たちの解放はメディアによって全世界に伝えられなければならなと語った。サエンスによれば、全世界が証人になれば、ゲリラを貶めるために兵士たちを射殺しようという軍の策 謀が進まなくなる。
FARCが拘留している兵士たちは、昨年8月の軍とゲリラの衝突のさいに捕虜になった。これまでサンペル政権は、軍幹部の圧力によって、FARCが要求する地区からの軍の撤収も赤十字の監視も受け入れないできた。他方、ゲリラ側ははじめから、兵士たちを引き渡すと述べていた。これまでなんどか、兵士の解放に近づいたこともあったが、FARCは引き渡しのさいに軍が襲撃をかける計画があるといったため に、実現しないままである。
http://clinamen.ff.tku.ac.jp/MRTA/4_22/Farc.html
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