犯人との格闘、女性の叫び声…遺族らに30分間
【ニューヨーク18日=青木伸行】
昨年九月の米中枢同時テロで、ハイジャックされ、ペンシルベニア州に墜落したユナイテッド航空93便に搭乗、死亡した犠牲者の遺族らに十八日、当時の機内の様子が録音されたテープが初めて公開された。
操縦室のボイスレコーダーで録音されたテープは三十分間、内容は“密室”での公開となり、“箝口(かんこう)令”も敷かれた。同機内では当時、乗客らがテロ犯と格闘しており、そうした様子がうかがえる内容とみられる。また、女性の叫び声や、英語とアラビア語で怒鳴る声などが聞き取れるという。
乗客のひとりトム・バーネットさんは、機内から携帯電話で四回にわたり妻に電話を入れ、「行くぞ」と、犯人に立ち向かう言葉を最後に残して犠牲になった。ディーナさんは、「彼だとわかるようなはっきりとした夫の声が聞きたい。でもそれを聞く心の準備ができているともいえません」と話した。
(夕刊より)