【エルサレム海保真人】
イスラエルのベンエエリエゼル国防相は17日、ヨルダン川西岸で展開中のイスラエル軍の過激派掃討作戦に関連し「21日までに西岸の大部分からの撤退を完了する」と明らかにした。イスラエル放送が伝えた。だが、アラファト・パレスチナ自治政府議長を監禁中のヨルダン川西岸ラマラの議長府周囲と、武装集団と軍のにらみ合いが続くベツレヘムの聖誕教会周辺は除外される見込みで、双方のこう着状態は当分続きそうだ。
イスラエルの各メディアによると、シャロン首相がブッシュ米大統領や、先にパレスチナ衝突をめぐる仲介作業を終えたパウエル米国務長官と交わした約束に基づき、西岸のジェニン、ナブルスなどの各侵攻地から今後2〜4日間で撤退を完了させたい方針だ。しかし、議長府については「昨年10月に起こったゼエビ観光相暗殺犯の引き渡し」、聖誕教会については「ろう城中の武装集団の投降」などを撤退条件として掲げており、イスラエル側は一歩も引かぬ構えを見せている。
イスラエル軍は17日から18日にかけて、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンの難民キャンプから戦車部隊を撤退させ、他の西岸各地でも撤収準備を進めた。だが、部隊はキャンプを包囲し、丘上には狙撃兵の姿が見られるという。
[毎日新聞4月18日] ( 2002-04-18-22:33 )