【テヘラン=岐部秀光】
パウエル長官の調停が不調に終わったことで、アラブ・イスラム諸国は失望感を強めている。エジプトのムバラク大統領は17日午後に予定していたパウエル長官との会談を事実上キャンセルし、不満をにじませた。
ヨルダンのラゲブ首相は地元紙で「米国による本当の圧力が必要だ。パウエル長官の任務失敗は中東に悲劇的な結果をもたらしかねない」と事態の悪化を警告していた。穏健派諸国は、米国がイスラエルへの圧力を増すよう引き続き求める立場だ。
国営サウジアラビア通信によるとアブドラ皇太子は16日深夜、滞在中のモロッコでイスラム諸国会議機構(OIC)議長国カタールのハマド首長と会談した。アラファト・パレスチナ自治政府議長は緊急OIC首脳会議開催を求めており対応を協議したもようだ。
イスラエルによる攻撃拡大を受け、湾岸産油国では原油輸出を停止したイラクへの追随を求める民衆の声も強まっており、穏健路線の各国は対応に頭を痛めている。