【ブリュッセル=刀祢館久雄】
欧州連合(EU)は15日、ルクセンブルクで外相理事会を開き、イスラエルとパレスチナの衝突が続く中東情勢を中心に協議した。EU内ではイスラエルに厳しい対応を求める声が根強いが、一方で慎重論も有力で、制裁の発動といった措置に踏み切るかは不透明だ。
欧州議会は10日、イスラエルとEUが結んでいる政治・通商分野などの包括的協力協定の停止を求める決議を採択。この問題を話し合うため、同国に緊急会合の開催を要請する案もEU内にある。加盟国の一部にはイスラエルへの武器輸出を禁じる動きも出ている。
しかし、EUとしての制裁は時期尚早とする意見もあり、足並みはそろいにくいとの見方が多い。パウエル米国務長官の仲介工作を見守りたいとの空気も強い。
外相理はアフガニスタン情勢なども討議する予定。