2002年03月31日
イラク攻撃:
「新帝国主義」で英労働党内が分裂
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【ロンドン岸本卓也】米国が計画している対イラク攻撃をめぐり、ブレア英首相が米国に歩調を合わせ、攻撃への参加方針を表明したことに関連し、首相側近がこのほど政府系研究機関の冊子に「イラクなどのテロ支援国家に欧米が軍事介入できる理論として新しい帝国主義を認めるべきだ」と主張したことが物議をかもしている。「帝国主義」という言葉にイラク攻撃に反対する閣僚や与党議員らが猛反発、労働党内の分裂はブレア政権に深刻な影を落とし始めた。
「新帝国主義」を提唱したのは現在、首相外交顧問を務めるロバート・クーパー氏。同氏は昨年12月、ドイツで開かれたアフガニスタン暫定政権樹立に向けた会議に派遣されるなど、ブレア首相の厚い信任を受けている。
クーパー氏によると、「新帝国主義」とはテロ支援国家が国際社会の脅威になった場合に、民主的国家がテロ支援国家を軍事制圧し、その国民に民主主義や人権主義を啓蒙できるというもの。
クーパー氏は文明国が遅れた国を啓蒙するという意味で「19世紀の帝国主義的な植民地政策も必要性は大きかった」と指摘し、「もはや一般犯罪と国際テロの違いは明らかで、欧米各国、欧州連合(EU)は世界秩序を変えなければならない」と訴えている。
これに対し、イラク攻撃に反対する労働党議員らが怒った。アラン・シンプソン下院議員は「奴隷制度が未開の人間を啓蒙する良い制度だと言うのに等しい」と反論し、「首相は悪い側近に操られている」と非難した。
イラク攻撃をめぐっては、賛成派のフーン国防相が「国連決議がなくてもイラク攻撃は可能だ」と強硬論を展開。一方で、ショート国際開発相が「イラク攻撃に参加した場合は閣僚を辞任する」と発言。与党の下院議員の3分の1にあたる121人もイラク攻撃に反対する運動に賛同署名を行っている。
[毎日新聞3月31日] ( 2002-03-31-00:03 )
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すこし前の記事なんで既出だったらスマン。
「悪い側近に操られている」というのがおかしい。あまりも真実をついていておかしい。