本日(4・13)午前NHK衛星1で放送された各国のニュースはこぞってベネズエラのクーデタを取り上げていたが、日本の新聞報道とほとんど変わらないので、視点が異なり珍しい映像も流した「ロシアRTRニュース」と「スペインTVEニュース」を取り上げる。
[RTRニュース]
● クーデタの直接的な引き金になった発砲事件を招いたデモは経営者団体が組織したもの
“奇妙な軍事クーデタ”と呼び、10万人(50万人とも)規模と言われた反チャベス政権デモが、経営者連盟によって動員されたものだと説明した。
このような解説を行ったのは、「ロシアRTRニュース」だけである。
「スペインTVEニュース」と「ロシアRTRニュース」の2局が、デモの様子を長く映像で流し、反チャベス派とチャベス派のそれぞれがデモを行ったことを伝えた。
映像を見る限り、反チャベス派のデモは、日本のメーデーという感じで、表情も余裕があり服装もそこそこである一方、チャベス派のデモは、木ぎれを持つものもおり、みすぼらしい格好だった。
● 4・9に行ったチャベス大統領のインタビュー内容
チャベス前大統領が、立ったまま記者のインタビューを受けているもので、「これは、革命政府を打倒するために仕組まれたものだ」と語っていた。
「これは」というのは、4月9日時点の話だから、デモではなく“石油公社労働者のストライキ”を指していると思われる。
[TVEニュース]
● ベネスエラ・ボリバル共和国をベネズエラ共和国に変更
暫定国家評議会の議長に就任したベネズエラ経営者連盟会長のペドロ・カルモロ氏は、記者会見で、「たいしたことではないかと思われるかもしれないが、まず最初に、国名をベネスエラ・ボリバル共和国からベネズエラ共和国に変更したい」と語った。
※ ボリバルは、チャベス前大統領がキューバを範を求めてつくった民兵組織のこと。
● デモ隊に対する発砲状況の映像
「ロシアRTRニュース」も同じ映像を流したが、軍部がクーデタを起こす直接のきっかけとなった反チャベス派デモへの発砲は、5、6名が交互に拳銃で行ったようだ。
デモを行っていた道路を跨ぐ陸橋が建物周囲の広場につながっており、建物の陰に数十名の集団がおり、そのなかにいる拳銃を持った5、6名が、建物の陰から出てはデモ隊に発砲するというものだった。
発砲者の顔がわかる映像だったので、そのビデオを参考にすれば、誰が発砲したかはすぐにわかるだろう。
● クーデタに対するカストロ議長のコメント
キューバのカストロ議長は、「革命に対する陰謀だ」と語った。
● EUのコメント
EUは、「EUは、民主主義を求めて行動した人たちと連帯する」と声明を発表した。